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耳の描き方!正面や色々な角度の耳を簡単に描く方法

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耳って形が複雑でちゃんと描こうとするととても難しいですよね。正面顔の耳と横顔の耳で全然形が変わる耳。アオリやフカンでさらに角度がつくともう訳がわからなくなります。そんな耳を観察して描き方をマスターしちゃいましょう。

正面顔の耳、斜め顔の耳、何か違和感?よくある失敗例2つ

耳は形が複雑なので、耳を上手く描く事にばかり気を取られがちですが、そのために陥りやすい失敗が2つあります。

ひとつは、角度の失敗。ひとつは、位置の失敗です。

逆に、耳の描き方をデフォルメしてシンプルにしてもこの2つさえ意識して描けばワンランク上の上手な耳が簡単に描けちゃいます。これは要チェックですね。

それでは早速次のイラストを見てみましょう。



一見普通のイラストですが、何か違和感を感じます。耳のあたりがちょっと変?「違和感がわからない」という人も、次の画像を見てみてください。



左のイラストに比べて、右の方が違和感がグッと無くなったのを感じませんか?

これは、耳を横顔の時と同じ角度の描き方で描いてしまった事が原因です。

耳は見る角度で形を変えます。どの顔の角度でも同じ描き方をしてしまうと、画像のような正面顔の場合は耳が顔に対して垂直に立っている猿のような耳になってしまいます。

耳を寝かすよう意識して描いてみましょう。耳の中のでこぼこも角度によって見え方が大きく変わるので意識できるとベストですが、難しい場合は耳の横幅を狭くするだけでも十分違和感は少なくなります。

ただ稀に左のように耳が立っている人もいます。キャラの描き分けであえて描くのも面白いですね。



次にこちらの上を見上げた角度の耳です。こちらも右のイラストの方が違和感がグッと少なくなっていますね。

これは、顔の立体感を意識して耳の位置を変えていない事で起こる違和感です。

耳のついている位置を常に目と同じ位置にしてしまうと、顔の立体感を無視した形になるので画像のような上を見上げた顔や下を見た角度で違和感が出ます。

顔を箱型で捉えると角度によって位置が変わる事がわかりやすいですね。難しく感じるなら、上を向いた時は耳の位置はグッと下げて、下を見た時は逆に上げて描くだけでもOKです。

耳の形はこうなっている!まずは基本をチェック

耳をデフォルメして簡単にする前に、基本の形をチェックしておきましょう。



耳は画像のように大まかに分けて3つのパーツで構成されています。厳密にはもっと細かいですが難しくなってしまうのでとりあえずこの3つで意識できればOK。

半うずまき状の「耳輪」、Yの字状に盛り上がっている「対輪」、1番影の濃くなる「耳甲介」です。

描く順番としては、耳の輪郭を描いたら耳のフチを意識して「耳輪」を描き、その中にYの字に盛り上がった「対輪」を描きつつ耳の穴近くの出っ張りを描き入れて、最後に「耳甲介」に影を描き入れるとスムーズです。

漫画やイラストだとここまでリアルに描く必要はないので、ここからデフォルメしていく事になります。

耳の影はどこに入れる?ソレっぽくなる影のつけ場所3つ

耳はデコボコが複雑に入り組んでいるので影を入れる時にどこに入れるか迷ってしまいますよね。影を入れるとソレっぽくなるポイントをチェックしてみましょう。



まず必ず入れた方が良いのが「耳甲介」です。耳の穴があるでっぱり付近はペン入れの時も影を意識して黒く塗りつぶすようにするとより耳らしくなります。トーンや斜線で「耳甲介」全体を塗りつぶすように影を入れるのもおすすめ。

次に入れた方が良いのが「対輪」のYの字の真ん中。漫画のような白黒原稿の場合はここの影は入れても入れなくても大丈夫ですが、カラーの場合は入れたほうが立体感が出て華やかになります。

最後に、リアル寄りの絵柄やキャラの顔の大きなアップなど場合によって入れた方が良いのが「耳輪」の内側です。Yの字の外側に沿うように影を入れます。ここの影はあえて入れずにシンプルにした方が絵柄に合う場合が多いので、迷ったら一度入れて試してみましょう。

いろいろな角度の耳を観察しよう

耳は角度によって見え方が大きく変わります。その変化を観察してみましょう。



耳はこのように厚みがあるのでアオリやフカンでは手前は太く奥は細くなります。

耳の縁は五角形の片側がガバッと開いたような形をしています。形がわからなくなったときは自分のわかりやすい形に置き換えると描きやすくなりますよ。

例えば5つの連なったウィンナーが耳の形に並んでいるとイメージしてみましょう。耳の角ばり、そしてそれを様々な角度から見ることで手前は太く奥は細くなる感じが掴みやすくなります。

耳の中の形も角度で様々な変化を見せますが、デフォルメされた漫画やイラストではここまで意識しなくても耳の角度や位置と「耳甲介」の位置、耳の縁の太さえ意識すればそれらしくなります。

画力の高いプロでも耳はシンプルにデフォルメして描いている人はたくさんいます。耳の角度や位置をそれらしく見えるポイントを抑えてデフォルメしていきましょう。

基本がわかれば簡単!デフォルメしよう

耳の基本の形を頭に入れたら、あとは失敗しやすいポイントである角度や位置に気をつけながらデフォルメをするだけです。



「対輪」のYの字を簡略化するだけでもだいぶ描きやすくシンプルになります。

さらに「対輪」を省いて「耳甲介」の形も簡略化したり、さらにシンプルにするも良し、耳の穴付近を影にして他はシンプルにするも良し。

プロのイラストや漫画でいろいろな耳の描き方を見ながら、自分の絵柄にはどんなデフォルメが合うのか考えてみるのも良いですね。

まとめ

耳の角度や位置さえしっかりしていれば、デフォルメをたくさんきかせた耳も魅力的になります。

耳の基本的な形を頭に入れたら、どんどんデフォルメして自分の絵柄に合った描きやすい耳を見つけましょう。

耳の角度や位置に気をつければ、どんなデフォルトされた耳もワンランク上の魅力的な耳になりますよ。

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