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陰影を意識した立方体・球体・円柱の塗り方

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光の向きと影の落ち方を考える

二次元の絵は、光の当たっている部分と影の部分を描くことで立体感を表現します。最初に、下の立方体を例に光の向きと影の落ち方を考えてみましょう。立方体は、左前方の斜め上から光が当たっている設定です。このとき、実際に描く視点、上からの視点、真横からの視点という、3つの方向から影の落ち方を想像してみましょう。

立方体を色々な方向から見てみる

@:実際に描く視点

左上から光が当たっている立方体を、上から眺めている設定で描きます。光が当たっている面と立体につく影の面、立体が落とす影の明暗を描き分けます。

A:上からの視点

光は一方向から当たっています。真上から見ると、影が一方向から平行に伸びていることがわかります。

B:真横からの視点

光が当たっている面の反対の面は、光が当たらないため影になります。このときの影の領域が描く斜線の角度は、光源の高さに準じます。

立方体の陰影の塗り方

@:左斜め手前から光りが当たると仮定すると、上面がもっとも明るくなり、その中でも手前がより明るくなります。

A:影で暗くなった面が床からの反射で少し明るくなります。反射光はあくまで二次元的な光源なので直接光があたっている面よりは明るくなりません。

B:光の方向に合わせて影の伸びる角度を、光源の高さに合わせて影の伸びる長さを決めます。

立方体は面の境界はっきり描くかぼかして描くかで、物質の柔らかさや硬さを表現することが出来ます。境界をぼかして描くと柔らかい印象の表現になり、反対に面の輪郭をはっきりと描くと硬い印象になります。

球体はなめらかなグラデーションを意識して描く

球体は身体の丸い部分や、雲、樹木といった自然物を描く上で基本となる立体です。曲面で構成されているため、立方体と違って明暗をはっきり分けて描くことができません。なめらかなグラデーションとグラデーションの幅や色の変化が、球体を描く上でのポイントになります。

球体の陰影の塗り方

@:光が一番当たっている部分にハイライトを入れます。

A:床からの反射光を描き込みます。見てる角度によって反射光を入れる箇所は変わってきます。

B:球の輪郭はエッジをぼかすことで裏に回り込んでいるように表現することができます。

下絵

光の方向に沿って補助線を引き、影の部分にアタリをつけます。上から当たっているため、上面は明るくなり下面は暗くなります。

立方体と球体を応用して円柱を描く

円柱は胴や腕足、木の幹や電柱などを描く時の、基礎の形になります。円柱を描く時は、底面の楕円と上面の楕円のパースを描き分けることが大切です。今回は斜め上から見ていることにして、描いてみました。

この場合、底面のほうが上面の楕円より面積が大きくなります。側面は、見えない部分に回り込んでいくことを意識しながらグラデーションに塗ります。影の回り込みを少し明るくすると自然な印章になります。

円柱の陰影の塗り方

@:パースがつくため、手前の弧の方が奥の弧よりもカーブが大きくなります。同じ面でも、手前のエッジは立ててシャープに、奥へ行くほどエッジをぼかして描くことで、奥行きを感じられるようになります。

A:影の回り込む面には背景の色が反射します。

B:垂直方向を意識しつつ、明暗のグラデーションを作っていきます。

C:床面のパースに沿うように、影を描いていきます。回り込む境界線の処理は、ていねいに描いていきます。

下絵

パースがつくため、床に接する楕円のほうの面積は広くなります。

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