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4コマ漫画の描き方!探したネタを100倍面白く描くコツ

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近頃はSNSだけでなくブログが再び注目を集め、自身のエッセイ漫画やオリジナルの漫画を4コマにしてアップする人も増え続けています。人気が出れば出版社から声がかかって書籍化も夢じゃない!今回はプロの漫画家が4コマ漫画で使っているテクニックをコッソリ伝授しちゃいますよ。これであなたの4コマ漫画も100倍面白くなる!?

4コマ漫画を100倍面白く描く基礎!起承転結

4コマ漫画の基本は起承転結です。でも起承転結って具体的に何?詳しく解説していきますよ。

基本の4コマ漫画を見てみよう

今回は4コマの基本形としてこちらを用意しました。日常を4コマエッセイ漫画にする事を想定して、普段のなんて事無い出来事をクスッとくるようにまとめています。

なんて事無いネタを面白く描く事は4コマ漫画の基本であり、この力が上がると日常エッセイもオリジナル4コマ漫画も今より100倍面白く描けるようになります。

起承転結に沿ってどのように描けばなんて事ない出来事もクスッとくるネタに大変身するのでしょうか。

起承転結の「起」

「起」は始まりです。普通の物語だとここの掴みがとても大事なのですが、4コマは短時間でサラッと読めるので、掴みより「どういう状況なのか?」が伝わるように意識しましょう。

ストーリー漫画の導入で1番重要なのは「インパクト=引きの強さ」ですが、4コマ漫画の場合はこの「インパクト=引きの強さ」は登場人物の設定で出します。エッセイ4コマ漫画でも人気なのは「ニートの日常」だったり「同性愛者の日常」だったり、読者が「気になる!」と思う設定が多いです。

設定でインパクトの出し辛い育児漫画やペット漫画の場合は絵だけで笑えるようなインパクトあるキャラデザインをしているものが人気です。

これはオリジナルの4コマ漫画でも意識すると良いですよ。

なので、本編である4コマ漫画の導入「起」は「わかりやすさ」重視で。これから何が始まるのか、どういうネタなのかが読者に伝わるようにしましょう。

起承転結の「承」

物語が「転」に向かって転がる。「起」と「転」を繋ぐ「承」ですが、ここもわかりやすさが大重要。

それでいて、「転」をより面白く見せるためのフリ的な役割もありますから、ついつい地味で適当に描いてしまいがちなコマですが侮ってかかってはいけません。

「起」に続いて起こっている事をわかりやすく見せつつ、「転」そして「結」の面白さを最大限引き出せるよう頭を絞ります。見本の4コマではあえてほぼ同じ絵を2枚続ける事で「転」の動きを際立たせています。こうする事で猫の舌の動きという小さな物でもインパクトが生まれます。

文字にすると難しそうですが、面白い4コマをたくさん読み込んで「なぜ面白く感じたか?」を自己分析していく事で、いざ描くときにこういったテクニックが無意識にパッと出せるようになります。たくさん読んでたくさん研究しましょう!

起承転結の「転」

4コマ漫画の要である「転」。ここに意外性があればあるほど4コマ漫画は面白くなります。読者が想像つかないようなアッと驚く展開になるほど良いです。

育児漫画やペット漫画が面白いのは、子供やペットは常に想像もつかないような行動をするので面白い「転」が作りやすいからです。

見本の4コマはそこまで意外性は無いですが、画にインパクトを出す事でありふれたネタをクスッとくるものに変身させています。ありふれたネタの場合、動きや表情を思いっきり面白くしたり何かのパロディネタを入れてみたり、表現に意外性を出せば良いのです。

読者が思いつかないような意外性のある「ネタ」か、もしくは「表現」か、あるいはその両方でも良いですね。読者が想像つかないような「転」でインパクトを出しましょう。

起承転結の「結」

オチである「結」も4コマでは重要です。「転」でのインパクトや勢いを最大限に活かして上手に締めましょう。

見本では、引きで猫がひたすらチュールを舐める場面を描く事で「転」の激しい舌の動きのインパクトを、静けさを強調した画面でさらに際立たせて終わらせています。セリフも入れていないので舌の動きがより強調されてシュールな雰囲気を作っていますね。

相手キャラにツッコミをさせて面白くなる場面もあれば、あえてツッコミせず「あ……うん……」と引かせた方が面白くなる場面もあり。あるいは相手に予想外の反応をさせて2段オチにしたり、逆にシカトさせてみたり、もしくは相手もノリノリでボケに乗っかってきたり。本当に様々なオチがあるので、自分の中で引き出しをたくさん作っておいていざという時により最適なオチをバチッと選択できるようにしましょう。

「承」のようにたくさんのテクニックがあるので難しそうですが、やはりここもたくさん4コマ漫画を読んで分析していくうちに「どのようなオチが最適か?」感覚で閃けるようになってきます。読んで読んで読みまくって、たくさん研究しましょう!

慣れたら起承転結の枠にとらわれない4コマ漫画も有り

基本は起承転結になぞって展開をさせますが、慣れてきたら起承転結の枠をあえて外してしまうのもアリです。

大人気4コマ漫画の「ポプテピピック」や、かつて人気を博して今でもキャラクターの愛されている「伝染るんです。」「ぼのぼの」なんかも起承転結の枠を出た表現がとても多いです。

起承転結は漫画の基礎中の基礎なので、慣れるまではこの起承転結は徹底的に守って練習すると良いですが、慣れてきてアレンジができる余裕が出てきたら自由に描いてみると良いですね。

だからと言って基礎で慣れる前から崩した形に挑戦してしまうと、ただの意味不明な漫画になりやすいので注意。起承転結は絵で言うデッサンです。アレンジの前に基礎。まずは起承転結を意識した基本の4コマで読者を笑わせられるようになりましょう。

デジタルならコマのテンプレートとフォントのテンプレートを作ると◎

SNSやブログで頻繁に4コマをアップしたいと思うなら、コマのテンプレートやフォントのテンプレートを作っておくと作業が圧倒的に楽になります。レイヤーもテンプレート化させればあとは描くだけ!

やり方はこちらの記事にまとめてあるので、是非参考にしてくださいね。

SNS用4コマ連載方法!テンプレートの作り方を知れば毎日投稿も楽々

4コマ漫画を100倍面白く描くコツ!セリフ編

起承転結を意識した展開を、さらに面白くするためのコツを紹介します。まずはセリフ編。

こちらはセリフのダメな例です。なんだか読み辛いですし、オチもイマイチ、読んでいて萎えてしまいます。何がダメなのでしょうか?

答えはこの2つです。詳しく解説していきますね。

セリフは短く少なくするべし

セリフはなるべく2〜3行、多くても4〜5行にして、吹き出しの数もなるべく少なくしましょう。

多すぎるセリフはそれだけで読者の読む気を削ぎます。説明臭くなってテンポも悪くなってしまいます。

ギャグとして、狙ってあえて長文にするのは大いにアリですが、とくに狙いが無いのであればなるべく短くコンパクトにまとめましょう。

状況はなるべく絵で説明するべし

4コマ漫画はコマのサイズもコマ数も限られていますから、ついついセリフで説明したくなってしまいますがグッと堪えて。なるべく絵での説明を心がけましょう。

特に画でインパクトを出して笑わせる場面の場合は説明くさい不自然なセリフを入れるとインパクトが一瞬で弱くなります。

例えば猫がものすごく変な顔をしていたとして、「ぎゃあああーーーー!!」といったリアクション的なセリフなら良いです。「何か変な顔してる!!!」もリアクション的なのでOK。ですが、「突然変な顔してびっくりしたー!!」みたいに説明させてしまうと不自然なので萎えてしまいます。

あくまでキャラには自然なリアクションを。不自然な説明セリフは絶対にやめましょう。

4コマ漫画を100倍面白く描くコツ!絵や画面編

次のコツは絵や画面編です。さっそくダメな例を観察してみましょう。

なんだかとてもわかり辛いですよね。とくに最初の2コマはセリフは同じなのにテンポが全然違って見えます。なぜでしょうか?

答えはこの3つです。詳しく解説しますよ。

セリフは読者の視線が自然に流れる位置に配置すべし

この4コマはセリフの位置がバラバラで、セリフを目で追っても重要な画が自然と目に入ってきません。それどころか「スマホでアニメを見ている」という状況説明となっていたスマホの絵がセリフで隠れてしまっています。

読者の視線の動きがあっちこっちにとっ散らかるようなセリフの配置読み辛さとなり、読み辛さは読者離れの大きな原因になります。「もっとこの4コマ漫画を読みたい!」と思ってもらうには読みやすさはとても大切。

セリフを目で追うと、重要な絵、例えばキャラの表情や重要アイテムが自然と目に入る位置にくるよう上手に調整しましょう。詳しくは視線誘導を解説した記事があるので参考にしてくださいね。

漫画の視線誘導のコツ!コマ割りや吹き出し配置での演出方法

何をしているかが伝わるよう絵に多くの情報を詰めるべし

この4コマは最初の4コマと違って「猫の表情」「机の上の紙や筆記用具」「猫のおやつを出す手」などが消えています。

これでも伝わらない事もないですが、あえて狙って無表情なキャラばかりの作風にしている場合を除いて、表情は多くの情報を詰め込めるので大切な要素です。

「机の上の紙や筆記用具」もある事で「やろうとして挫折した感じ」がより強調されますし、「絵が上手くなりたくて頑張っている子が主人公の物語」なのだという事も強調されて世界観の演出にもなります。

「猫のおやつを出す手」も、手が無いので見ようによっては下からいきなり生えてきたようにも見えてしまい、混乱する読者が出てくるかもしれません。

ほんの些細な違いに感じますが、こうした些細な気配りの連続が「わかりやすさ」となって、「転」から「結」への勢いがさらに強まり笑いまでスムーズに運ぶ事が出来ます。

些細な混乱や疑問は一瞬で勢いを殺すので、読者に一つも「?」を感じさせないよう必要な情報は絵で徹底的に入れましょう。

インパクトある表現を心掛けるべし

「転」や「結」が平凡だと、なんとなく読んでなんとなく面白い4コマ漫画にはなりますが、強く心に残って「また読みたい!もっと読みたい!」と思ってもらえるものにはなりません。

今はSNSやブログで大量に漫画が読めますから、そんな中で読者をつけるには他にないインパクトのある面白さを出すのが大切です。平凡な、誰にでも思いつきそうな表現は避けて。「どんな画にしたらより面白くなるか?」たくさん頭を捻りましょう。

まとめ

プロ漫画家が4コマ漫画を描く時に意識しているコツ、如何でしたか?

起承転結といった基本はもちろん、読みやすさやインパクト等、読者をより楽しませるためにプロはたくさんの工夫を詰め込んでいます。

これを意識すればあなたの4コマ漫画は100倍面白くなる事確実です。是非挑戦してみましょう!

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