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背景を最大限生かした構図を考えてみる

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ここでは、使い勝手の良い構図パターンを技法名とともに紹介します。適したシチュエーションが構図にあることを理解しましょう。

1点透視図法

初心者向けの構図技法

背景を含めたキャラクターイラストを描くときに、多用されるのが「1点透視図法」です。部屋を描く際に使うと、奥行きを作れるのでとてもマッチします。また、その奥行きを使って、イラストの世界観を背景に盛り込めるので、シーンを強調したイラストが描けるのも特徴です。キャラクターのポーズばかりに気を取られて、背景との比率がずれてしまうことが多いので気をつけましょう。

適したシチュエーション

  • 室内と共に、キャラクターを描きたい時
  • イラスト内の世界観を表現したい時
  • 描きたいと思うシーンを強調したい時

カメラの置き方

カメラを真横に老いてしまうと、遠近感が殺されてしまうので、少し俯瞰か煽る構図にしましょう。

よくある間違い

  • 背景とキャラクターの遠近感が合っていない
  • 背景の奥行きを生かしきれていない

2点透視図法

背景に立体感を与える構図

消失点を二つに増やしたのが「2点透視図法」です。1点透視図法で描けなかった角度の背景も表現出来る以外に、背景に立体感を出せるのが特徴です。留意点としては、消失点の位置を把握しないと、対象物によってはいびつな背景になってしまいます。

適したシチュエーション

  • 複数の視点からの構図を描きたい時
  • 背景に描く建物の立体感を出したい時
  • 奥行きを複数箇所に設定したいとき

カメラの置き方

立体感を出しやすい構図なので、カメラの位置も下から煽るようにすると表現しやすくなります。

よくある間違い

  • 消失点の位置が把握できないせいでいびつな背景になってしまう
  • 消失点の向きを同じ方向で描いてしまう

3分割法

シチュエーションありきの構図

画面を縦横ともに3分割したとき、その分割線が重なる付近に描きたいモチーフを置くのが「3分割法」です。イラスト内の空間を上手く使えば、キャラクターの心情を表現できます。そのため、イラストやキャラクターにストーリー性を持たせたいときにマッチする技法です。

適したシチュエーション

  • キャラクターの明るい心情を描きたい時
  • キャラクターの沈んだ心情を描きたい時
  • イラストのシチュエーションを重視したい時

カメラの置き方

爽快感を与えたい場合は、煽ったカメラ位置が合います。シリアスな表現では、俯瞰構図が良いでしょう。

よくある間違い

  • 「日の丸構図」と同じになってしまう
  • キャラクターの心情と空間の使い方が合っていない

遠近法

躍動感を演出できる構図

描くモチーフの遠近感を使い、手前を大きく奥を小さく描くのが「遠近法」です。本来の比率よりも大げさに描くと、より勢いや躍動感を演出出来ます。戦闘やコミカルなシーンなど、動きを表したいイラストの時に使用すると、とても効果的に使えます。

適したシチュエーション

  • イラストの迫力や勢いを強調したい時
  • キャラクターの躍動感を表現したい時
  • 動きのあるイラストを描きたい時

カメラの置き方

どこにカメラを置いても「遠近法」は様になります。なのでイラスト内で最も表現したいものに合わせると良いでしょう。

よくある間違い

  • ポーズが静かになってしまう
  • 遠近法を使っているモチーフを小さく描いてしまう

ロングショット

世界観を表現できる構図

背景とともにキャラクターを描く時に、円形を使うのが「ロングショット」です。円形を使うため、キャラクターの表情や動きのあるイラストが描けないのが難点。背景の占有率が高いので、世界観を重視したイラストを描きたい時はとても適しています。

適したシチュエーション

  • 背景と共にキャラクターの心情を描きたい時
  • イラスト内の世界観を表現したい時
  • 静止したイラストを描きたい時

カメラの置き方

カメラを置く場所をかなり遠くに設定することが大切です。煽り構図を加えるとより雰囲気を出すことが出来ます。

よくある間違い

  • 空間を大きく取り過ぎてしまう
  • 空間ではない背景の占有率が高すぎる

余白

印象を重視したいときの構図

孤立感や神秘的、無音といったネガティブではないもののポジティブでもない印象を与えたい時に「余白」は適しています。しかし、「さみしさ」が印象として先行するので、元気なイメージのキャラクターには合わない構図です。特徴として、背景をあまり描かない子とが挙げられます。

カメラの置き方

空間やキャラクターの高さをキャンパス内に収められるよう、真横からカメラを向けた状況が適しています。

よくある間違い

  • 遠近法や勢いのあるイラストを描きたい場合には、余白は向いていません
  • キャラクターに明るく元気なポーズを取らせる場合も、向いていません

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