ClipStudio（クリスタ）でマンガを描こう！～ベタ塗りの基本～

投稿日：2016.11.06　更新日：2016.11.06

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クリスタでベタを塗るには主に、「塗りつぶし」ツールと「マーカー」ツールを使います。「塗りつぶし」ツールのツールプロパティを理解すると大幅に作業効率が上がりますよ。

「塗りつぶし」ツールの違いを理解する

まず始めに、ベタ作業の主となる「塗りつぶし」ツールについての説明から行っておきます。

「編集レイヤーのみ参照」と「他レイヤーを参照」の違いについて

両者は「複数参照」がオフになっているかオンになっているかの違いです。複数参照がオフの場合は、現在編集中のレイヤーに描いてある絵を見て、塗りつぶし範囲を判断します。複数参照がオンの場合は、表示されている全てのレイヤーに描いてある絵を見て、塗りつぶし範囲を判断します。

参照するレイヤーの設定

（1）全てのレイヤー	表示中の全てのレイヤーを参照します。
（2）参照レイヤー	参照レイヤーに設定したレイヤーのみを参照します。
（3）選択されたレイヤー	選択したレイヤーのみを参照します。
（4）フォルダー内のみ	フォルダーの中で作業をする時、そのフォルダー内のレイヤーのみを参照します。

参照するレイヤーの設定

（5）下書き	表示中の全てのレイヤーを参照します。
（6）テキスト	参照レイヤーに設定したレイヤーのみを参照します。
（7）編集レイヤー	選択したレイヤーのみを参照します。
（8）ロックされたレイヤー	フォルダーの中で作業をする時、そのフォルダー内のレイヤーのみを参照します。

ベタ塗り、トーンワーク作業の9割近くは「他レイヤーを参照」で作業します。

参照レイヤーを設定する

特定のレイヤーを参照したい時に「参照レイヤー設定」をオンにします。塗りつぶしなどをする再に、枠線・吹き出し・線画を参照レイヤーにする、などの使い方をします。

レイヤーを選択して、「参照レイヤーに設定」をクリックするか、選択したレイヤー上で右クリックして、表示されるメニューから「参照レイヤーに設定」を選択します。

参照レイヤーには、参照されていることを示すレイヤーアイコンが表示されます。

「塗りつぶし」ツールで塗りつぶす

（1）「塗りつぶし」＞「他レイヤーを参照」ツールを選択します。

（2）ツールプロパティパレットで設定を確認します。

自分で設定を弄って使いやすいようにカスタマイズするのが良いですが、わからない場合は上の設定でOKです。

（3）描画色を黒にします。
（4）ベタ用の新規ラスターレイヤーを作成します。

（5）レイヤープロパティパレットでレイヤーカラーを設定します。

（6）クリック＆ドラッグで塗りつぶします。

うまく塗りつぶせないのであれば「塗りつぶしツールプロパティ」の「ドラッグで同じ色を塗りつぶす」という項目がオンになっているかどうか確認しましょう。

塗りつぶしが漏れてしまった場合

(1)「取り消し」またはヒストリーパレットで取り消します。

(2)線が切れていると漏れるので、ここを「マーカー」＞「べた塗りペン」で塞いでから「塗りつぶし」＞「他レイヤーを参照」ツールで塗りつぶします。

ペタ塗りペンツール

「べた塗りペン」は筆圧を関知せず、アンチエイリアスもオフなので、塗りつぶしに向いています。ただし、表現色を「モノクロ」で作業していれば、「サインペン」「マジックペン」も、筆圧感知：オフ、アンチエイリアス：オフになります。

細かい塗り残しを処理する

「囲って塗る」ツールで細かい穴あきを埋める

（1）「塗りつぶし」＞「囲って塗る」ツールを選択します。

（2）ツールプロパティで設定を確認します。

（3）透明部分をくるっと囲むようにして塗りつぶしていきます。このとき穴あき部分を少しでも横切ってしまうと塗りつぶせないので注意しましょう。

「塗りつぶし」ツールの応用/h2>

色の誤差

色の誤差とは、似たような色をどこまで同じ色として塗りつぶすか決める値です。マンガを描く際はほとんどがモノクロ作業なので、色の誤差は「0.0」つまり誤差が無い状態にしておく必要があります。

「囲って塗る」について

「囲って塗る」のプロパティの設定では「対象色」というのが重要になります。特に「全ての色を対象」と「透明部分のみ」というのはよく使います。ベタを塗ったりトーンを貼ったりする作業の場合、線画の周りなどは基本的に「透明」なので、「透明部分のみ」という設定が生きてくるのがわかりますよね。

なお、塗りつぶすエリアを囲む際に、少しでも塗りつぶしたい部分がはみ出てしまうと塗りつぶせないので注意しましょう。