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背景の描き方
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前回「家の描き方」で洋風の一軒家の描き方を学びましたが、実際に家が建ち並ぶ背景を描きたい場合これだけでは足りません。そこで前回の家を軸に、住宅街の景色を描いてみましょう。
洋風の家を描く際はパースを取りませんでしたが、住宅街のようなものを描くのであればパースを取って描いた方が綺麗に仕上がります。洋風の家を基準にHLを取り、VPを決めてパースラインを取ります。道路との境目はパース通りにした方が綺麗に見えますが、家の高さは基本的に建物によって違うのでパースライン通りに取らない方が良いです。
また、住宅街にはかならず電柱が立っているので電柱も描きましょう。電線は先ほど取ったパースラインに沿って描くのでこちらにもガイドを引いておきます。電柱自体にもパースがかかり、住宅のVPとは別のVPが出来るのも注意が必要です。
ラフが出来たらまずは一番右手にある建物から描いていきます。この住宅は日本家屋を想定して描きます。日本家屋の特徴といえば瓦屋根ですね。外壁の描き方は洋風住宅とあまりかわりませんが、瓦屋根の描き方は洋風住宅にはないのでここで覚えましょう。
いつも通り壁になる部分から塗っていきます。日本家屋は色が暗く、濃い色で描いて上げる方が綺麗に見えるのでい外壁のベース色は暗めの色を選んで上げます。
屋根の影になったりする部分に影色で大きく影を取ります。
影以外のベース色の部分に見えるパーツを大まかに描いていきます。ラフでは1階に植木、二回には窓を描いたのでざっと描き込んでいきます。この作業はやらなくても良いですが、後から描き込む際に位置が取りやすかったり、ある程度はみ出したとしても下地で補ってくれるので見栄えが良くなるのでやることをオススメします。
下地が出来たら2階にある雨戸と窓を描き込みます。雨戸は明るめのベースでを塗った後に雨戸パネルの影を塗るだけです。資料を見ても分かるように非常に簡単な作りになっているので描くのは簡単です。
雨戸の下に新規レイヤーを作り窓を描き込みます。窓枠がしっかり確認出来れば窓に見えるようになるのでこちらも簡単です。
外壁がある程度出来たら建物を囲っている石垣と生け垣を描いていきましょう。日本家屋では植木を目隠しとして植えられていることが多くあります。そのため生け垣を描いて上げる必要があるのです。
まずはわかりやすい石垣をパースラインに沿って描いていきます。石垣のランダム感は水面の描き方を参考にすると良いです。ただ、石は輪郭が角張っているので水面より輪郭を角張らせるのがポイントです。石の質感を出すために石のテクスチャのブラシで塗りましょう。石の色は灰色をイメージしますが、今回は青よりの灰色を選んで塗っています。後々色調整を行うのであまり気にせず塗って大丈夫です。
生け垣もとい植木はなるべく高いタイプの木を想定して描きます。影色のベースで塗ってから草ブラシでちょんちょんとハイライト部分を根気強く描き込んでいきます。
屋根瓦の簡単な描き方は、ベースを塗ったら縦方向の線を大まかにとります。縦方向の線は大体等間隔で大丈夫です。綺麗に描きたい場合は直線ツールを利用します。
横方向の線は波打つような曲線を描きます。この2方向の線を基準にハイライトと影を塗っていきます。
棟や降棟はハイライトと影をきっちりかき分けます。瓦屋根はどこにハイライトが当たるのかわかりにくいので資料をじっくり観察しましょう。
最後に雨どいを描き込みます。雨どいの構造も資料を見ながら描くようにします。
屋根の奥行きを描いたら日本家屋は完成です。上手く描けない方はテクスチャブラシを使用して汚しを入れて上げると年期の入った印象になるので試してみてください。
右手には日本の家屋の中でも古くからある長屋を描いていこうと思います。このイラストだと少ししか写っていませんが、長屋も建築様式には様々あり調べるだけでもなかなか面白い作りをしています。時間が合ったら資料を集めてみると良いかもしれません。
いつも通り外壁から描いていきます。外壁になる部分を影色でベタ塗りします。今回はベースになる部分より影色になる部分の方が大きいのでこのようになりました。わかりにくい方はベースを塗ってから影を塗ると良いです。
壁のベース部分がどの当たりになるのかわかりにくいので窓から先に描いていきます。窓を描く位置にガラスを描いてから、窓枠を描きます。
1階には格子状の窓を描きます。ペン入れレイヤーを使い、直線で格子を表現します。その後いらない部分を消しゴムで消していきましょう。
窓の位置などを見ながら、光の当たる部分をベース色で塗っていきます。塗る際はテクスチャブラシを使用すると質感が出ます。
外壁はここで終了です。側面部分および細部の描き込みは全体を描き込んでから調整しながら行うので後回しになります。
基本的に日本家屋の瓦屋根と同じような描き方になりますが、長屋の場合、見えている角度が違うのでそこに注意しながら描いていきましょう。瓦の側面が良く見えているのがわかると思います。どうなっているのかわかりにくい場合は資料を探した方が良いです。
1階の地面と壁の接地面が浮いているので鉢植えなどをたくさん置いて隠します。描くのが難しいところはどんどん別の遮蔽物で隠しましょう。下手に細かく描くよりも綺麗に見えます。草は草ブラシでちょんちょんと描きます。影色とハイライトの色使いに気をつければ適当でもそれっぽく見えます。
後は格子窓の隣が不自然に見えないようにドアで何でも良いので描き込みます。
長屋の外壁にはトタンがよく使われています。長屋自体、古い建物ばかりですし、トタンは劣化が激しいことが多いので、損傷を描き込んで上げる必要があります。
ベタ塗りされた側面をテクスチャブラシを使って粗塗りし、縦方向にブラシで直線を描き込んでいきます。ポイントは影色だけでなく、オレンジよりの錆色をまぜて直線を描く事です。また、色の交わりで劣化感を出すので1枚のレイヤーにまとめて描き込みます。
最後に格子状の影や屋根の影などを整えたら完成です。
建物の目の前にある道路を描き込みましょう。「道路の描き方」は別ページにて詳しく解説してあるので参考に見てください。質感と白線さえ抑えておけばそれらしく見えます。
電柱に関してはこればかりは資料を見ながら描く他ありません。細部がどうなっているのか注意しながら描き込みます。
空はいつも通りの方法で描き込みます。今回は晴れ渡るような青空にしてみました。「青空と雲の描き方」を参考にしてください。
奧の建物を描き込んでいきます。まずは洋風の家と和風の家の間の空間の奧にある建物から。奧にあるので空気遠近法でじゃっかん薄めの色を使います。形は普通の三角屋根の家とベランダ、窓などのわかりやすい特徴を描くだけで十分です。
マンションは以前解説した「ビルの描き方」と同じ手順で描きます。ただ、近代的ビルだと変になるので少し工夫して、階層ごとにベランダの壁を描いてあげます。直線のみで描けるのですぐに描けますよ。
あと左手の方が少しさみしく感じたので、建物の側面を描きました。これも直線のみで描いています。奧に行けば行くほど空気遠近法で青白く、手前にある建物は質感がわかるように描きましょう。
奧の建物の手前の建物の間が少し不自然だったので木を生やして隠しました。また、光源である右上に光を描き込みます。
これで完成です。きちんと基本が出来ていれば少し複雑な景色も簡単に描くことが出来るようになります。
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