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トーンでも使える!超簡単なのに本格的な夕焼け雲の描き方

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雲を自由自在に描く事ができたらいろいろな表現ができるようになりますよね。雰囲気が自由に出せるだけでなく感情の表現も出来るので、こだわりのシーンやイラストには出来たら素材を使ったり写真そのまま描くのでなく自分で形をつくって描きたいところ。今回は写真を見なくても適当でも超簡単に本格的な雲が描ける方法です。トーンの削りにも使えるので表現の幅が広がりますよ。

くるくるシャー!で適当なのにあっという間に本格雲

雲を描く基本は大まかに形をとった後にふんわりぼやかす事です。このぼかし方が難しいんですよね。ただ闇雲にぼやかすと「時間がかかったわりに雲っぽくない…」なんて事も。

そんな時におすすめなのが秘儀「くるくるシャー!」です。くるくると塗りつぶして下にシャー!と流れる線を数本入れるだけ。このUFOのような形を横に並べたり縦に積み重ねるとアラ不思議。たったそれだけでも雲らしくなっちゃいます。これを使ってぼかしていけば超簡単に雲らしくなるわけです。

まず雲の大まかな大きさや形、位置を決めて下地をベタッと塗りましょう。トーンの場合はざっくり削って形を出します。

アナログトーンの場合は、カッターで切り抜いて形を作らず削りのみで形をつくる方がおすすめです。切り抜くと切ったフチの部分にトーンの削りカスがたまって汚くなりがち。シャリシャリと大胆に削って形をとるか、フチを描くように削ってからくるくるシャー!でぼかし削りを入れて仕上げに内側をくり抜くようにしましょう。

雲の形が大まかにとれたらいよいよくるくるシャー!とぼかしていきます。フチをぼかすだけでなく少し離れたところにもチラすようにすると感じが出ます。カラーの場合は好みで仕上げに指先ツールでぼかせば完成です。

奥に行くほど細く描いて雲のパースの表現をしよう

雲を描いたはいいけどイマイチ奥行きが出ない…。そんな時は地平線に近くなるほど細く小さく描いてみましょう。

雲にもパースがかかっています。だからと言ってそこまで難しく考える必要はありませんよ。地平線から離れている雲は大きく太く、地平線に近い雲は小さく細く描くだけでOK。大きい雲に小さい雲を重ねるのも良いですね。

地平線近くに横に繋がった大きな細い雲を描けば広い空を表現出来ます。奥に行くほどたくだんの雲が重なるので大きく繋がって見えるんですね。遠くの方まで見える広々とした場所を描きたいときにおすすめです。

くるくるシャー!の方向を揃えて綺麗な空にしよう

シャー!の方向を揃えた方が綺麗な空になります。雲は空気の流れでだいたい同じ方向に引っ張られるので、バラバラな方向に伸ばしてしまうと見た目も汚くなるだけでなく違和感のある仕上がりに。

方向を揃えられるよう、別レイヤーに薄くアタリをとっておきましょう。なんとなく遠近感が出るようにさえ意識すれば、図のように上の方を湾曲させて地平線に近づくほど真っ直ぐにするも良し、全部真っ直ぐにするも良し。出したい雰囲気に合わせて自由に描きましょう。

アナログトーンの場合はトーンに直接水色のシャープ芯や色鉛筆で描き込めばOKです。水色は印刷に出ないですし、スキャンしてパソコンに取り込む場合でも簡単に色を飛ばせますよ。

描いてみよう!夕焼け雲メイキング

さっそく描いてみましょう。普通の空よりも影や光などが多くなる、夕焼け雲のメイキングです。

1、空の色をグラデーションで描く

最初に空の色をつくります。青空は水色一色や水色~白のグラデーションで大丈夫ですが、夕焼け空はとくに広い空になると水色~オレンジの美しいグラデーションになります。写真そっくりに描くのも良いですが、自分が夕焼けを見たときに感じた印象の色や、出したい雰囲気に合わせた色など、実物とは違う色も大切にして決めていっても楽しいですよ。

2、ベース色の雲を描く

青空なら白、夜空なら紺やグレーなど、ベースになる色で雲を描きます。今回は夕焼けなのでオレンジにしました。薄く見えているグレーの太い線はアタリです。雲をぐりぐりと大雑把に描いた後、このアタリにそってくるくるシャー!で形を仕上げていきます。トーンの場合も同じでくるくるシャー!と削っていきます。最後に全体のバランスを見ながら指先ツールでぼかせばベース色の雲の完成です。

3、雲に影をつける

ベース色の雲に影をつけていきます。青空の場合は雲の下側に影が出来ることが多いですが、夕焼けは雲の上側に出来る事が多い事に注目です。夕焼け空は太陽=光源が雲より下にあるので影も太陽と反対の雲の上側にかかるわけですね。太陽の位置に気をつけながら影をつけていきましょう。影をつけるときもくるくるシャー!です。トーンの場合はグラデトーンを上に重ねてくるくるシャー!と削っていきます。

4、雲の下(太陽側)に光を入れる

青空の場合は影をつけるだけでも良いですが、夕焼け空の場合は雲の下側、太陽の方に光を入れていきます。今回はレイヤーオプションを覆い焼きにして黄色で光を入れました。雲のフチだけ光らせるように細く入れるのがポイントです。やっぱり光もくるくるシャー!で入れていきます。

5、仕上げに雲の光や影の微調整

最後に太陽の位置を意識して光や影を微調整します。今回は雲の奥に太陽が隠れているイメージなので、太陽のある位置をとくに光らせました。

6、完成!

適当にぐりぐりと描いた雲の周りにくるくるシャー!と描くだけで、写真を見なくても素早く超本格的な雲が描けました。今回ご紹介したポイントを抑えれば、実物に無いような勢いよくうねった雲やクラッカーのように弾む雲も自由自在ですよ。雲を自由自在に操ってステキな表現に使ってくださいね。

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