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ドスパラ raytrek LAX 評価・レビュー

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もうここ10年くらいパソコンといえば、CPUにはINTELを、グラフィックボードにはNVIDIA GeForceを採用するのが当たり前になっています。でも当然それ以外のパソコンもあります。

ドスパラが販売しているクリエイター向けPC「raytrek LAX」はCPUにはAMD Ryzenを、グラフィックボードにはNVIDIA Quadroが搭載されています。まさにクリエイター向けに特化したデスクトップPCです。実機を入手したのでどんな性能なのかレビューしてみます。

raytrek LAXのスペック

OS CPU
Windows 10 Home 64bit Ryzen 7 2700X(8コア/定格3.70GHz/最大4.30GHz)
メモリ グラフィックボード
16GB(PC4-21300) Quadro P620 2GB
ストレージ チップセット
500GB SSD + 2TB SSD AMD X470 チップセット
光学ドライブ 電源
DVDスーパーマルチドライブ 500W 静音電源 (80PLUS BRONZE)

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8コア・16スレッドのCPUに、メモリ16GB、グラフィックボード搭載、さらにストレージも完璧なのに15万円程度で購入できるコスパの良いデスクトップです。8コア・16スレッドといえばCore i9-9900Kを連想しますが、動作周波数はそこまで高くありません。

グラフィックボードのQuadro P620は無料アップグレード中です。通常は不明で、おそらくP600なのではないかと思います。Quadro P620は決してグラフィック性能の高いグラフィックボードではありません。ただし30bitカラー出力、最大解像度5120×2880、最大4画面同時出力とお絵描きやマルチタスクに向いた性能を持っています。

GeForceではなくQuadroを選ぶ意味がまさにここにあって、特に印刷する際に正確な色を出力できるのは大きいです。本気でお絵かきをするなら、私はQuadroを選んだほうがいいと思っています。

raytrek LAXの外観と内部

raytrek LAXのケース

raytrekシリーズは大抵このPCケースです。高さは44cmあり、ミドルタワーに該当します。



左側の吸気口にケースファンを追加できますが、ベンチマークソフトで負荷をかけても、Ryzen 7 2700Xは最大77℃、Quadro P620は最大69℃までしか上がらなかったので、このままでいいです。



もしも3.5インチHDDや2.5インチSSDを追加・交換する際には右側を開ける必要があります。

raytrek LAXのインターフェイス、接続端子

前面にはUSB3.0端子が2個、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。一番上にはDVDスーパーマルチドライブが設置されています。もしもブルーレイを使用する場合はBDドライブに変更してください。



マザーボードは高級なASRock Fatal1ty X470 Gaming K4です。Fatal1tyシリーズは特にPCゲーマーに人気があります。バックパネルにはPS2端子、USB3.1端子が6個、USB3.1端子、USB3.1 Type-C、有線LANポート等があります。USB3.1で揃ってるマザーボードなんて初めて見ました。本当に高級です。

Quadro P620の映像出力端子はmini-DisplayPortが4個です。DVIからmini-DisplayPortとDisplayPortからmini-DisplayPortへの変換アダプターが同梱されていました。

raytrek LAXの内部

表配線ながらケーブルが綺麗にまとめられています。RyzenのCPUクーラーはAMD純正です。電源を入れたらファンとその周辺が光っていました。拡張性も高いですしかなり良いデスクトップPCです。

raytrek LAXの性能を評価

raytrek LAXのPhotoshopの快適性、CLIP STUDIO PAINTの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

Photoshopの快適性をテスト

Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。

Photoshopの起動速度

検証内容 秒数
起動速度 4.49秒

起動速度は普通です。5秒くらいならそこそこ早いと感じます。

写真を50枚読み込み

検証内容 秒数
読み込み速度 23.76秒

6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。Core i7-8700 + メモリ16GBのパソコン「raytrek ZT」とほぼ同じ速度です。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 1.03秒
保存速度 1.22秒
焦点領域の反映速度 1.75秒

読み込みと保存は文句なしの速度です。焦点領域も十分高速なのですが、Quadro P2000搭載の「raytrek ZQ2」よりもちょっと遅いです。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 2.31秒
保存速度 3.23秒
焦点領域の反映速度 3.16秒

Ryzen CPUはクリエイター向けPCに最適だと評判です。確かに15万円程度で購入できるパソコンなのに随分とサクサク動いてくれます。コスパが良い証明です。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 5.64秒
保存速度 7.71秒
焦点領域の反映速度 4.32秒

キャンバスサイズとレイヤー数が多いと5秒以上かかってしまいます。重いファイルを扱うなら20万円以上のデスクトップをおすすめします。

Clip Studio Paintの快適性をテスト

今度はClip Studio Paint Proの検証です。Photoshopで使ったpsdファイルをclip形式に書き出した物を使いました。

Clip Studio Paintの起動速度

検証内容 秒数
起動速度 2.91秒

Clip Studio Paintを起動するまでの速度です。ストレスなく起動してくれます。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 3.89秒
保存速度 3.25秒

読み込みや保存はPhotoshopよりも重いです。ちなみに「5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpi」のファイルだと、読み込みに10秒、保存に24秒もかかりました。

ストレージの速度

raytrek LAXには500GB SSDと2TB SSDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。

SSDのシーケンシャルリードは448.8MB/s、シーケンシャルライトは507.9MB/sです。速度も容量もちょうどいいです。

LuxMark(OpenCL)

LuxMarkは4210でした。CPU内蔵グラフィックスよりちょっと高いスコアです。

FurMark(OpenGL)

OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは1476でした。やはり3Dの性能は高くありません。3Dをガツガツ扱うならQuadro P2000以上、あるいはGeForce GTXシリーズをおすすめします。

3DMARK FireStrike(DirectX11)

3DMARK FireStrikeは4205でした。PCゲームをするには厳しいスコアです。ゲーミングPCとして使いたいなら素直にINTEL Core i7とGeForce GTXの組み合わせをおすすめします。

とはいえ格安デスクトップながら2Dの性能は抜群です。お絵かき用パソコンを初めて買うなら、このクリエイター向けPCがぴったりだと思います。

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