クリエイター向けPCレビュー

ドスパラ raytrek VF-HEW 評価・レビュー

投稿日：2020.02.03　更新日：2020.02.04

ドスパラのクリエイター向けPC「raytrekシリーズ」から新しいノートPCが発売されました。スペックから考えると非常に激安で、最初に公式ページを見たときには目を疑いました。

その名も「raytrek VF-HEW」です。クリエイター向けノートPCとか関係なく、本当にコスパが良いのでやや重い作業をしたい方におすすめです。実機を入手したのでレビューしていきます。

raytrek VF-HEWのスペック

OS	CPU
Windows 10 Home 64bit	Core i7-8565U（4コア/定格1.80GHz/最大4.60GHz）
メモリ	グラフィックボード
16GB（PC4-21300）	GeForce MX150 2GB
ストレージ	チップセット
1TB NVMe SSD	モバイルインテルチップセット
光学ドライブ	液晶
なし	15.6 インチフルHD 非光沢ワイド液晶ディスプレイ

raytrek VF-HEWの価格を見る

Core i7、メモリ16GB、1TB NVMe SSDというハイスペックなノートPCなのに、約12万円で購入できるという激安っぷりです。普通この価格ならメモリ8GB、500GB SSDくらいですよ。しかもGeForce MX150のグラフィックボードまで搭載されているのですから本当にすごいです。

こんなに安くてドスパラはきちんと利益が出るのか心配になるレベルです。とはいえユーザーにとっては嬉しいので、クリエイター入門用ノートPCとしては間違いなく”買い”の一品です。

メモリとストレージはもう十分です。カスタマイズするパーツは特にありません。このまま買いましょう。

raytrek VF-HEWの外観と内部

raytrek VF-HEWのケース

15.6インチのノートPCです。サイズは362（幅）×246（奥行き）×22（高さ) mmで、重さは約1.8kgしかありません。クリエイター向けノートPCは小型すぎると液晶が見えにくくなり使いにくいので、15.6インチ以上をおすすめします。

キーボードはテンキー付きです。ショートカットでテンキーって結構多様しますからあったほうが便利です。

電源ボタンは右奥にあります。

raytrek VF-HEWのインターフェイス、接続端子

左側にはACアダプター用の端子、HDMI映像出力、USB3.0、USB3.1 Type-C、マイク入力・ヘッドフォン出力共用端子があります。

右側にはmicroSDカードリーダー、USB3.0、有線LANポートがあります。microSDカードリーダーは初めて見た気がします。

raytrek VF-HEWの性能を評価

raytrek VF-HEWのエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

エンコード速度をテスト

フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。

auo [info]: x264guiEx 2.52 / Windows 10 x64 (18362) / Intel Core i7-8565U @ 1.80GHz [TB: 3.70GHz] (4C/8T)
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o

略

encoded 17020 frames, 31.06 fps, 6652.99 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 13.35% / x264: 83.84%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 9分 8.1秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 9分15.2秒

ハイスペックデスクトップに比べると2倍以上の時間がかかりました。エンコード自体は問題なくできるのですが、時間を要すると覚えておきましょう。高速化したいなら素直にデスクトップを買うべきです。

Photoshopの快適性をテスト

Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。

Photoshopの起動速度

検証内容	秒数
起動速度	7.06秒

以降3回計測した平均値です。デスクトップなら5秒以内に収まるところですが、7秒かかってしまいました。CPUの性能差が出た形だと思います。

写真を50枚読み込み

検証内容	秒数
読み込み速度	35.10秒

6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。過去にレビューした同価格帯のノートPCよりも高速です。メモリ16GBが効いているのでしょう。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容	秒数
読み込み速度	1.63秒
保存速度	1.33秒
焦点領域の反映速度	2.34秒

一切ストレスを感じない速度です。Photoshopは年々重くなっていますが、これならサクサク作業できます。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容	秒数
読み込み速度	3.15秒
保存速度	3.41秒
焦点領域の反映速度	5.13秒

3秒程度ならまだまだ高速です。ただCore i7-9750Hに比べると若干遅いですね。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容	秒数
読み込み速度	8.01秒
保存速度	7.81秒
焦点領域の反映速度	7.06秒

キャンバスサイズとレイヤー数が多いと5秒以上かかってしまいます。それでも10秒を越えないとは・・・。格安ノートPCなのに素晴らしい性能です。

ストレージの速度

raytrek VF-HEWには1TB NVMe SSDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。

SSDのシーケンシャルリードは3435.8MB/s、シーケンシャルライトは2987.4MB/sです。12万円程度のノートPCに爆速の1TB SSDを搭載してくれるなんてドスパラは太っ腹ですね。

LuxMark（OpenCL）

LuxMarkは4976でした。CPU内蔵グラフィックスよりも確実に高いスコアです。

3DMARK FireStrike（DirectX11）

3DMARK FireStrikeは2767でした。3D性能はあまり高くありません。3Dゲームを遊ぶのはちょっと難しいです。2Dや映像系の性能を補完してくれるくらいに思ったほうがいいです。

とはいえ格安ノートPCとは思えないほど高性能です。お絵かき用パソコンを初めて買うなら、このクリエイター向けノートPCがぴったりだと思います。

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