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Ryzen 7 1700X搭載!ドスパラ raytrek-V AT 評価・レビュー

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AMDから新しいCPUシリーズが発売され、世界中で話題になっています。一時期はINTELが90%、AMDが10%のシェアとまで言われていましたが、もしかすると一気にシェア奪還となるかもしれません。

そんな期待が高まるAMD Ryzenシリーズは果たしてクリエイター向けPCには適しているのでしょうか。公式サイトを見るとクリエイター向けCPUとしての宣伝が見受けられます。Ryzenシリーズでもハイスペックな部類のRyzen 7 1700Xを搭載した「raytrek-V AT」を評価していきます。

raytrek-V ATのスペック

OS CPU
Windows 10 Home 64bit Ryzen 7 1700X(8コア/定格3.40GHz/最大3.80GHz)
メモリ グラフィックボード
8GB(PC4-19200) NVIDIA GeForce GTX1060 6GB
ストレージ チップセット
2TB HDD AMD B350 チップセット
光学ドライブ 電源ユニット
DVDスーパーマルチドライブ DELTA 500W 静音電源(80PLUS BRONZE / GPS-500EB D)

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普通のパソコンと比べると非常にハイスペックです。8コア16スレッドなんて、これまで超高級CPUでしたからね。INTELだとCore i7-6900Kが一番近いスペックでしょう。

Core i7-6900Kはそれ単体だけで10万円を越えます。これに対してRyzen 7 1700Xは4万円ちょっとですから半額以下です。とても比較にならないコスパの違いです。これだけ見てもRyzenシリーズの人気の理由がわかるはずです。

CPU以外を見ると、グラフィックボードにGTX1060 6GBを採用していてやはり高性能です。現在GTX1060が最も人気のあるグラフィックボードです。ゲーム用途にもクリエイター用途にも使いやすいのでとてもおすすめです。

しかしメモリ8GBなのは少し不満が残ります。raytrek-V ATは3DCG用パソコンにカテゴライズされていますから、メモリは16GBが望ましいです。カスタマイズでのメモリ増設をおすすめします。

raytrek-V ATの外観

raytrek-V ATのケース

raytrek専用のデスクトップケースです。ガレリアのKTケースと大体一緒です。上部に2つ大きなフィルターが付いていますがこれは排気の役割があります。オプションでどちらにもケースファンを取付可能です。PCケースの冷却性能を高めたい場合は追加しておいて損はありません。



左側にも同じ形状のフィルターが2つあります。上部とは違ってこちらは吸気の役割です。



右側にも吸気フィルターがあります。

raytrek-V ATのインターフェイス、接続端子

前面にはDVDスーパーマルチドライブとUSB3.0端子が2つ、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。



左の写真がマザーボード(ASUS PRIME B350-PLUS)のバックパネル、右側の写真がGTX1060の映像出力端子です。

バックパネルにはPS2端子、USB2.0端子が2つ、USB3.0端子が4つ、USB3.1端子が2つ、LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力があります。USB3.1はUSB3.0より約2倍も高速です。

GTX1060の映像出力端子はDVI-D、HDMI、DisplayPortが3つです。GTX1060~GTX1080は大抵こんな映像出力端子です。

raytrek-V ATの内部

左側からだとシャドウベイが完全に隠れています。



Ryzen 7 1700XのCPUクーラーはAMD純正です。ここ数年は純正ファンの評価が高まっているように感じます。

raytrek-V ATの性能を評価

raytrek-V ATのPhotoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

Photoshopの快適性をテスト

Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。

Photoshopの起動速度

検証内容 秒数
起動速度 5.54秒

PhotoshopをSSDにインストールし、起動速度を計測しました。ハイスペックの割にはいまいちな速度です。5秒以上かかるとは思いませんでした。

写真を50枚読み込み

検証内容 秒数
読み込み速度 40.72秒

6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。SSDの速度に問題はないはずなのでメモリ容量で左右されるのかもしれません。おそらくメモリ16GBだったら30秒で完了していると思います。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 1.84秒
保存速度 1.83秒
焦点領域の反映速度 3.32秒

読み込みと保存は2秒以内に完了しているので問題ありません。しかしGTX1060を搭載しているのに「焦点領域」の反映速度が3秒以上かかっているのはとても不思議です。もしかしてRyzenとPhotoshopの相性が悪いのでしょうか。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 4.80秒
保存速度 5.12秒
焦点領域の反映速度 6.53秒

5秒程度で処理が終わるならストレスは感じません。むしろサクサクだと思えるでしょう。ただ、Quadro P2000を搭載した「raytrek LC P2」をレビューした際には、この半分の時間で完了していました。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 10.65秒
保存速度 16.00秒
焦点領域の反映速度 20.02秒

うーん、10秒以上かかってしまいました。焦点領域の反映に20秒かかっているのも変な感じです。私がレビューしたときだけたまたま、だと思いたいです。

ストレージの速度

raytrek-V ATは通常2TB HDDのみですが、レビューした時にはキャンペーン中で500GB SSDが無料追加されていました。CrystalDiskMarkでそれぞれの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。

SSDのシーケンシャルリード(連続読み込み速度)は556.7MB/s、シーケンシャルライト(連続書き込み速度)は529.4MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは203.5MB/s、シーケンシャルライトは204.5MB/sです。どちらも良い速度が出ています。

CINEBENCH R15(CPU)

CPUの性能をCINEBENCHで計測しました。1520cbはこれまで見たことがないほど高いスコアです。Core i7-7700が879cb、Core i7-6800Kが1103cbでしたから、Ryzen 7 1700Xがハイエンドな性能を持っていることがわかりました。

FurMARK(OpenGL)

3DCG制作ならOpenGLの性能が重要になります。特にCADがそうですね。Quadro P2000よりも優秀な4464ポイントになったのは素直に驚きです。確かに3DCG用パソコンとしてはちょうど良さそうです。

3DMARK FireStrike

3DMARK FireStrikeは11481でした。同じ3D性能でもこちらはゲーム用途です。GTX1060搭載デスクトップは普通11000未満になるのですが、しっかり越えています。Ryzen 7 1700XによるPhysics Scoreの高いスコアが押し上げてくれました。

3DCG用、ゲーム用のパソコンとしてなら満足度の高い性能を発揮してくれます。もちろん他にもCPUの性能を駆使する使い方をしたい人にraytrek-V ATをおすすめしたいです。

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