クリエイター向けPCレビュー
Quadro P600搭載!ドスパラ raytrek LC-M 評価・レビュー
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クリエイター向けPCはゲーミングPC以上にピンきりです。10万円以内のものから100万円を越えるものまであります。ミドルスペックだけどクリエイター向けのグラフィックボードを搭載した安いデスクトップが欲しい人にぴったりなのがraytrek LC-Mです。
13万円ちょっとの価格なのにCPUはCore i7で、Quadroグラフィックボードを搭載しています。でも安いだけでは心配です。性能がしっかりしていてお絵描き等のクリエイティブな用途に最適なのか調べてみました。
raytrek LC-Mのスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 64bit | Core i7-7700(4コア/定格3.60GHz/最大4.20GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
8GB(PC4-19200) | Quadro P600 2GB |
ストレージ | チップセット |
500GB SSD + 1TB HDD | インテル B250 チップセット |
光学ドライブ | 電源 |
DVDスーパーマルチドライブ | DELTA 500W(80PLUS BRONZE / GPS-500EB D) |
ドスパラのraytrekシリーズはクリエイター向けPCにカテゴライズされています。raytrek LC-Mは3DCG用パソコン、CAD用パソコンのなかで売れ筋ランキング1位を獲得している超人気デスクトップです。そしてマンガ・イラスト制作用パソコンでも人気ランキング3位です(raytrek debut! LC-M P600)。
またグラフィックボードはQuadro P600が採用されていて、4画面出力が可能になっています。マルチディスプレイを格安で実現したい方にもおすすめのパソコンです。
ちなみにraytrek LC-Mはモデルチェンジしました。旧モデルはCore i7-6700、Quadro K620等が搭載されていて、今の最新バージョンのほうがかなり高性能になっています。ページによっては「raytrek LC-M(P600)」とか「raytrek LC-M P600」と表記されています。
*500GB SSDはキャンペーンで無料プレゼント中でした。容量が少なかったり、SSD非搭載だったりすることもあります。
raytrek LC-Mの外観と内部
raytrek LC-Mのケース
正面、上部、背面の写真です。ミニタワーデスクトップなのでやや小さめです。正面と上部には吸気口がありません。
左側の写真です。吸気口は左側だけにあります。
右側は上部と同じように塞がっています。
raytrek LC-Mのインターフェイス、接続端子
正面にはUSB3.0が2つ、マイク入力、スピーカー出力、リセットボタン、電源ボタンがあります。
背面にはマザーボードとQuadro P600の接続端子があります。Quadro P600には映像出力端子としてmini-DisplayPortが4つ備わっています。そのまま液晶モニターと接続すれば4画面まで出力できます。4K x 4画面なんてこともできるのであらゆる用途に便利です。
パソコンと一緒に「HDMI => mini-DisplayPort変換アダプタ」と「DisplayPort => mini-DisplayPort変換アダプタ」が同梱されていたので、HDMIケーブルかDisplayPortケーブルを持っていれば大丈夫です。
raytrek LC-Mの内部
グラフィックボードが小型・薄型のおかげで内部はすっきりしています。
Quadroシリーズのグラフィックボードはどれも薄型でいいですね。Quadroシリーズは世代がちょっとわかりにくいのですが、600 < 2000 < 4000 < 5000 < 6000 の順で性能が上がっていきます。つまりP600は最小性能なのですが格安なのでとても人気のあるグラフィックボードです。 raytrek LC-Mの価格を見る
raytrek LC-Mの性能を評価
raytrek LC-Mは安いです。でも安いだけでは駄目です。性能がしっかりしているかどうかが重要です。そこでraytrek-V LKのエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
エンコード速度をテスト
フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1
略
encoded 17020 frames, 49.47 fps, 6652.99 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 17.19% / x264: 80.29%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 5分44.1秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1450) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 5分54.5秒
ということでエンコードにかかった時間は「5分54秒」でした。Core i7-7700K搭載の「raytrek-V LK」と比較すると30秒程度時間がかかっています。
Photoshopの快適性をテスト
Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 4.66秒 |
CPUの性能が向上したおかげでしょうか。旧モデルより10%ほど高速になっています。
写真を50枚読み込み
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 31.99秒 |
6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。メモリ8GBでも結構高速ですね。でもCore i7-7700Kに比べるとちょっと遅くなっています。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.49秒 |
保存速度 | 1.33秒 |
焦点領域の反映速度 | 2.20秒 |
ファイルの読み込み速度、保存速度はCPU、メモリ容量、ストレージ速度に依存します。焦点領域の反映速度はメモリ容量とグラフィック性能に依存します。キャンバスサイズの小さいファイルなら一瞬で完了しますね。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 3.46秒 |
保存速度 | 4.54秒 |
焦点領域の反映速度 | 4.72秒 |
これくらいのサイズならまだWEBでよく見ます。Pixivでランキングに入っている気合の入ったイラストは、これより大きいものもたくさんあります。ここまで大きくてもまだ5秒以内に収まっています。「おー!かなりサクサクだ!」と実感できます。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 10.01秒 |
保存速度 | 13.01秒 |
焦点領域の反映速度 | 17.18秒 |
ここまで大きくなると仕事絵です。気合を入れて相当細かく書き込んでいくときのキャンバスサイズです。10秒を越えてしまったのはメモリのせいです。メモリ16GBにすれば、それぞれ半分の速度で完了します。
ストレージの速度
raytrek LC-MはSSDとHDDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。
SSDのシーケンシャルリードは496.1MB/s、シーケンシャルライトは267.9B/sです。HDDのシーケンシャルリードは205.2MB/s、シーケンシャルライトは203.2MB/sです。
SSDの読み込み速度はなかなか高速です。イラストソフト等よく使うソフトウェアはSSDにインストールすることで動作がサクサクになります。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkは3833でした。Quadro K620に比べると50%くらいスコアが伸びています。ただ、OpenCLに関してはGeForceのほうが強いです。例えばGTX1060なら12000を越えます。
FurMark(OpenGL)
OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは1242でした。あまり高くはありませんが、3DCGやCAD用のエントリーモデルとしては良いと思います。
3DMARK FireStrike(DirectX11)
3DMARK FireStrikeは3593でした。3Dゲームをするにはちょっと厳しいスコアです。最新ゲームを遊ぶのには向いていません。画質を落とせばドラクエ10くらいは遊べます。Quadroはゲーム用グラフィックボードではないので仕方がありません。
raytrek LC-Mの評価
やはりPhotoshopやエンコードのサクサク感が高評価です。プロ用にはちょっとスペックが足りませんが、趣味でお絵描きする人が初めてパソコンを買うならおすすめです。価格と性能のバランスがとても良いからです。キャンペーンでさらにコスパ抜群になっていることが多いので、一度チェックしてみてください。
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