クリエイター向けPCレビュー
ドスパラ raytrek ZQ2 評価・レビュー
投稿日: 更新日:
INTELのCPUが第九世代へと徐々に移行しています。それに伴い、ドスパラのクリエイター向けPCもどんどんモデルチェンジしています。Core i7-9700KやCore i7-9900Kを搭載したハイスペックなデスクトップが最近は人気です。
2019年4月現在、Quadro搭載デスクトップで一番売れているのが「raytrek ZQ2」です。Core i7-9700KにQuadro P2000を搭載した高性能なクリエイター向けPCです。重い処理をサクサクにしたくて、20万円の予算を考えている人におすすめです。
raytrek ZQ2のスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 Home 64bit | Core i7-9700K(8コア/定格3.60GHz/最大4.90GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
16GB(PC4-21300) | Quadro P2000 5GB |
ストレージ | チップセット |
1TB SSD | INTEL Z390 チップセット |
光学ドライブ | 電源 |
DVDスーパーマルチドライブ | Enhance 600W 静音電源 (80PLUS TITANIUM / ATX-1860) |
クリエイター向けPCってやっぱりCPUとメモリが重要です。特にお絵かきや写真編集のような2Dを扱う作業だと、CPUとメモリ容量でサクサクになるかが決まります。だからクリエイター向けPCを買うなら高性能なCPUにメモリ16GB以上がおすすめです。プロならメモリ32GB以上にしたいですけどね。
Quadro P2000はちょうどいい存在です。P4000以上になると高額になってしまいます。20万円でクリエイター向けPCを買おうと思ったらP2000がベストです。ただしQuadroにするかGeForceにするかはよく考えたほうがいいです。CAD、DTP、イラストを印刷などの用途ならQuadroがおすすめです。動画編集やゲームならGeForceです。
raytrek ZQ2の外観と内部
raytrek ZQ2のケース
raytrekシリーズではおなじみのPCケースです。高さは44cmでミドルタワーケースに該当します。机の上に置けるサイズですが、私なら机の下に置きます。
左側の吸気口にケースファンを追加できます。とはいえCPUやグラフィックボードの温度はそこまで高くなかったのでこのままでいいでしょう。
CPUクーラーやメモリ、グラボ等をメンテナンスするなら左側を開けるのに対し、ストレージを追加・交換するためには右側を開ける必要があります。
raytrek ZQ2のインターフェイス、接続端子
前面にはUSB3.0端子が2個、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。一番上にはDVDスーパーマルチドライブが設置されています。素材集やフォントってまだDVDで売ってたりしますから、DVDドライブはあったほうがいいと思います。
後ろ側にはマザーボードとグラフィックボードの接続端子があります。マザーボードのはPS2端子、USB2.0端子が2個、USB3.0端子が2個、USB3.1端子、USB3.1 Type-C、有線LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力です。
Quadro P2000の映像出力端子はDisplayPortが4個です。DisplayPortケーブルを用意しておいたほうがいいです。
raytrek ZQ2の内部
先程書いたようにストレージシャドウベイはこちらが塞がっています。拡張スロットやM.2スロットが空いているため、色々なパーツを追加できます。
raytrek ZQ2の性能を評価
raytrek ZQ2のエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
エンコード速度をテスト
フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o
略
encoded 17020 frames, 81.77 fps, 6652.99 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 19.91% / x264: 77.39%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 3分28.2秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 3分33.5秒
総エンコード時間は3分28秒でした。Core i7-8700搭載パソコンより30秒も早くエンコードが完了しました。CPUを使ったソフトウェアエンコードにも向いていることがわかりました。
Photoshopの快適性をテスト
Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 4.73秒 |
起動速度は平均的です。Photoshop CCのバージョンアップで起動に時間がかかるようになった気がします。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 0.92秒 |
保存速度 | 1.24秒 |
焦点領域の反映速度 | 1.48秒 |
非常に高速です。一瞬で読み込まれるで正直驚きました。メモリが16GBなのよりもCore i7-9700Kの威力を感じます。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.95秒 |
保存速度 | 2.83秒 |
焦点領域の反映速度 | 2.60秒 |
キャンバスサイズが多少大きくなってもまだまだ高速です。Core i7-9700KはPhotoshopに向いています。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 4.62秒 |
保存速度 | 6.58秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.50秒 |
全然余裕ですね。性能があまり高くないパソコンだと10秒以上かかりますよ。本当にハイスペックです。
Clip Studio Paintの快適性をテスト
今度はClip Studio Paint Proの検証です。Photoshopで使ったpsdファイルをclip形式に書き出した物を使いました。
Clip Studio Paintの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 3.14秒 |
Clip Studio Paintを起動するまでの速度です。起動はPhotoshopよりも早いです。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.74秒 |
保存速度 | 1.78秒 |
逆にファイルの読み込み、保存はPhotoshopよりも遅くなりました。キャンバスサイズ5000px × 3000pxだと保存は約13秒もかかります。解像度によってはpsd形式だと違った結果になるので難しいです。
ストレージの速度
raytrek ZQ2には1TB SSDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。
SSDのシーケンシャルリードは558.2MB/s、シーケンシャルライトは492.1MB/sです。Crucial MX500シリーズは高速でコスパも良いのでおすすめのSSDです。1TBだけだとちょっと足りないので、さらに1~2TB HDDを追加したほうがいいです。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkは9233でした。GeForce GTX1060だと12000くらいです。
FurMark(OpenGL)
OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは3105でした。
3DMARK FireStrike(DirectX11)
3DMARK FireStrikeは8851でした。GTX1060搭載デスクトップなら11000くらいです。一応3Dゲームもプレイできる性能ですが、重いゲームは厳しいです。そもそもゲームをしたいならGeForceを選ぶべきです。
全体的にはCPUの性能が素晴らしく、あらゆる用途が快適になるクリエイター向けPCです。Quadroを必要とするなら一番におすすめのパソコンです。
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