クリエイター向けPCレビュー
Core i7-8700K搭載!ドスパラ raytrek LZ P2 評価・レビュー
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ついに第8世代INTEL CPUが発売されました。第7世代の主流はCore i7-7700やCore i7-7700Kでしたね。そしてCore i7-7700Kの後継にあたるCore i7-8700Kを搭載したクリエイター向けPCが早速ドスパラから販売されています。
それが「raytrek LZ P2」です。Core i7-8700KだけでなくグラフィックボードにQuadro P2000を搭載していて、相当なハイスペックに仕上がっています。どのような用途に適しているのか性能を評価してみたのでご紹介します。
raytrek LZ P2のスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 64bit | Core i7-8700K(6コア/定格3.70GHz/最大4.70GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
16GB(PC4-21300) | Quadro P2000 5GB |
ストレージ | チップセット |
250GB SSD + 2TB HDD | インテル Z370 チップセット |
光学ドライブ | 電源 |
DVDスーパーマルチドライブ | DELTA 650W 静音電源 (80PLUS BRONZE) |
Core i7-7700KとCore i7-8700Kを比較するとまずコア数・スレッド数の違いに気付きます。Core i7-7700Kが4コア・8スレッド、Core i7-8700Kが6コア・12スレッドです。AMD Ryzenシリーズに対応した形でしょうか。今後もコア数はどんどん増えていくのでしょうね。
動作周波数はCore i7-7700Kが定格4.2GHz、最大4.5GHzで、Core i7-8700Kは定格3.7GHz、最大4.7GHzです。定格が下がってターボブースト最大のクロック数は向上しています。CPUに負荷がかかる状況なら勝手に動作周波数が上がってくれるので、確かに高性能になっています。
メニーコアを活用する用途といえば動画編集、エンコードを最初に思い浮かべます。またCADにもいいでしょう。PCゲームに関してもCPUの重要度が年々増しているため、Core i7-8700Kはこれからのスタンダードになると思います。
CPUの世代交代に伴ってチップセットやメモリも変わっています。チップセットが最新のZ370になって、メモリはPC4-19200からPC4-21300になり一層高速になっています。
ストレージは250GB SSD + 2TB HDDとなっていますが、本来は2TB HDDだけです。期間限定のキャンペーンっぽいので詳しくは公式サイトのスペック表を確認してください。
raytrek LZ P2の外観と内部
raytrek LZ P2のケース
正面、上部、背面の写真です。ATXのLD ブラックケースです。ミドルタワーに該当します。
左側の写真です。上部と左側にはそれぞれケースファンを追加できます。ベンチマークソフトで負荷をかけた際にCPUは87℃まで上がっていたので、1つくらいケースファンを増やすのもおすすめです。
右側は左側とは違ってケースファンを取り付けられません。
raytrek LZ P2のインターフェイス、接続端子
正面にはDVDスーパーマルチドライブ、USB3.0が2つ、SDカードリーダー、マイク入力、スピーカー出力、リセットボタン、電源ボタンがあります。
背面にはマザーボードとQuadro P2000の接続端子があります。Quadro P600がmini-DisplayPort4つだったのに対し、Quadro P2000は普通のDisplayPortが4つです。Quadroシリーズは基本的にDisplayPortだけしかないみたいです。HDMIやDVIより高性能なので当然かもしれません。
raytrek LZ P2の内部
M.2スロットがメモリスロットの下辺りとマザーボードの右下辺りにあります。ドスパラの電源ユニットは以前ほとんどAcBelだったのに、最近はDELTA製が増えてきています。
GeForce GTXシリーズとQuadroの違いって色々ありますが、グラフィックボード本体のサイズの差は見逃せません。GTXシリーズだと2スロット分使って、その下の拡張スロットもエアフローのために使えなかったりします。でもQuadroは小型・薄型のものが多く、他の拡張スロットをしっかり活用できます。
raytrek LZ P2の性能を評価
Core i7-8700Kになってクリエイター向けPCはどのように進化したのでしょうか。raytrek LZ P2のエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
エンコード速度をテスト
フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o
略
encoded 17020 frames, 76.41 fps, 6768.28 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 18.06% / x264: 76.82%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 3分42.8秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 3分47.4秒
ということでエンコードにかかった時間は「3分47秒」でした。Core i7-7700K搭載の「raytrek-V LK」が5分25秒だったので1分30秒近く短縮できています。やはりエンコードには高性能なCPUが欠かせませんね。
Photoshopの快適性をテスト
Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 6.13秒 |
起動に6秒以上かかってしまいました。スペック的には5秒で起動するかと予想していました。その原因はおそらくPhotoshopがCC2017からCC2018にアップデートされたからでしょう。アップデートの度に重くなってきている気がします。
写真を50枚読み込み
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 24.56秒 |
6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。歴代最速です。CPUの重要性を実感できます。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 0.99秒 |
保存速度 | 1.05秒 |
焦点領域の反映速度 | 1.63秒 |
ファイルの読み込み速度、保存速度はCPU、メモリ容量、ストレージ速度に依存します。焦点領域の反映速度はグラフィック性能にも依存します。1秒程度ですから一瞬で完了します。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.16秒 |
保存速度 | 2.76秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.15秒 |
これくらいのサイズならまだWEBでよく見ます。この時点で5秒かかるデスクトップも多いのに2~3秒程度で完了しています。うーん、さすがは最新のハイスペックPCです。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 5.04秒 |
保存速度 | 6.6秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.74秒 |
ここまで大きくなると仕事絵です。ミドルスペックだと10秒以上かかるのが普通です。つまりraytrek LZ P2を使えばそこらのパソコンより2倍のサクサク感で作業できます。
ストレージの速度
raytrek LZ P2はSSDとHDDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。
SSDのシーケンシャルリードは559.5MB/s、シーケンシャルライトは260.3MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは208.6MB/s、シーケンシャルライトは209.2MB/sです。
SSDの読み込み速度はなかなか高速です。特にランダムリードが400MB弱までいくのは珍しいです。一方でSSDの書き込み速度は普通よりやや遅いです。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkは9254でした。Quadro P600だと3500程度ですから2倍以上の性能です。
FurMark(OpenGL)
OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは3076でした。CADの入門向けPCにはちょうどいい性能だと思います。
3DMARK FireStrike(DirectX11)
3DMARK FireStrikeは8634でした。よく「Quadroでゲームはできるのか?」みたいな疑問を目にしますが、このデスクトップなら大丈夫です。GTX1060には及ばないですが、GTX1050Tiを遥かに越えるスコアです。つまりMMORPG、MORPG、MOBA、アクションゲーム、多くのFPSで60fps以上出せます。
raytrek LZ P2の評価
第8世代CPUが発表された段階では微妙かな?なんて思っていましたが、実際に触ってみるとその威力に驚かされます。明らかに第7世代のCore i7-7700やCore i7-7700Kを凌駕しています。CPUが重要なクリエイター向けPCにはとてもおすすめです。
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