クリエイター向けPCレビュー
Quadro P5000搭載!ドスパラ raytrek LC P5 評価・レビュー
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パーツには世代があり、1年か2年に1回くらい新しくなります。わかりやすいのがCPUです。Core i7-6700を始めとしたSkyLakeからCore i7-7700のようなKaby Lakeに世代交代しました。
グラフィックボードも同様でGeForce GTX900シリーズからGTX10シリーズになり、アーキテクチャがPascalになりました。このPascalが非常に優秀で、同じNVIDIAのQuadroもPシリーズになってからPascalが採用されています。
Quadro Pシリーズはまだ発売されたばかりですが、すでにBTOパソコンはMシリーズ搭載モデルからPシリーズ搭載モデルに移行しています。PシリーズのなかでもハイエンドなのがQuadro P5000です。
CADのようなプロ向けグラフィックボードなので、お仕事で使う人は気になっているでしょう。そんなP5000を搭載したドスパラのデスクトップ「raytrek LC P5」をレビューしていきます。
raytrek LC P5のスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 Home 64bit | Core i7-7700(4コア/定格3.60GHz/最大4.20GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
16GB(PC4-19200) | NVIDIA Quadro P5000 16GB |
ストレージ | チップセット |
250GB SSD + 3TB HDD | インテル H270 チップセット |
光学ドライブ | 電源ユニット |
DVDスーパーマルチドライブ | 700W 静音電源 (AcBel 製 / 80PLUS BRONZE) |
CPUとメモリはハイスペックな部類です。しかしグラフィックボードは圧倒的なハイエンドです。ビデオメモリ16GBということは、GeForce GTX10シリーズで最高性能を誇るGTX1080Ti 11GBを上回っています。やはりCADのように3Dをごりごり使うためのグラフィックボードです。
また、以前はGeForceはDirectX用、QuadroはOpenGL用ときっちり分かれていましたが、Pascalになってからは全体的にパワーアップしていて垣根が低くなっています。例えばQuadroでもDirectX11の重い3Dゲームを遊べるようになりました。
ただし8bitカラー、10bitカラーという違いはそのまま残っています。成果物を印刷するなら絶対に10bitカラーのほうがいいですから、例えば3DCGやイラストをプリントする予定があるならQuadroのほうがおすすめです。
raytrek LC P5の外観
raytrek LC P5のケース
raytrek専用のミドルタワーケースです。高さは44cmあるので、机の上よりかは下に置いたほうがすっきり収まるはずです。上部には2つの排気口があるものの、トップケースファンは非搭載です。トップケースファンを取り付けて注文することも可能です。とはいえ、温度を見た感じではこのままでも問題ありません。
左側です。上部とは違って、こちらは吸気口です。
右側です。
raytrek LC P5のインターフェイス、接続端子
正面にはUSB3.0端子が2つ、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。
左の写真がマザーボードのバックパネル、右側の写真がQuadro P5000の映像出力端子です。
バックパネルにはPS2端子が2つ、USB3.0端子が4つ、USB2.0端子が2つ、LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力があります。
Quadro P5000の映像出力端子はDisplayPort x3、HDMI、DVI-Dです。QuadroはDVI端子がないイメージでしたが、P5000はあるのですね。また、上にある丸い端子は「3ピン ステレオシャッター」です。一部のCADソフトはこの端子がないと動作しないので、実は重要だったりします。逆に言えば、まさにCAD向けパソコンというわけです。
raytrek LC P5の内部
ケーブルが綺麗にまとめられています。
Quadro P5000です。GTX1060と同じくらいのサイズです。STEREOと書かれている部分から伸びているのが3ピン ステレオシャッターのケーブルです。
raytrek LC P5の性能を評価
raytrek LC P5のPhotoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
Photoshopの快適性をテスト
Quadro P5000をお絵かき用パソコンやレタッチ用パソコンとして購入する人がいるかどうかはわかりませんが、Photoshopがどれくらい快適に動作するのか検証しました。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 4.11秒 |
PhotoshopをSSDにインストールし、起動速度を計測しました。これまでの経験から起動速度はSSD、メモリ、CPUに依存していることがわかっています。今までレビューしたなかでもかなり早い部類です。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.23秒 |
保存速度 | 1.22秒 |
焦点領域の反映速度 | 1.64秒 |
今までレビューしたなかでトップクラスに高速です。メモリ16GBのおかげでしょう。「メモリ8GBで十分」という意見もわかりますが、16GBにしたほうが絶対に快適です。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.57秒 |
保存速度 | 3.93秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.04秒 |
やや大きめのサイズです。グラフィック性能に影響されるフィルターや焦点領域の反映速度が爆速でした。今まででNo.1じゃないでしょうか。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 6.17秒 |
保存速度 | 8.95秒 |
焦点領域の反映速度 | 4.08秒 |
本気で細かく描き込むくらいのサイズです。画素数でいえば一眼レフで撮影した写真くらいでもあります。読み込みと保存は5秒を越えてしまいましたが、それでも高速なほうです。さらに高速にしたいならメモリ32GB以上にするのが手っ取り早いです。
8192px × 8192px、レイヤー数239、解像度350dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 12.30秒 |
保存速度 | 21.94秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.18秒 |
ほぼ限界のサイズです。やはりグラフィック性能が際立っています。プロのクリエイターでも大満足できるスペックです。
ストレージの速度
raytrek LC P5には250GB SSDと3TB HDDが搭載されています。CrystalDiskMarkでそれぞれの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。
SSDのシーケンシャルリード(連続読み込み速度)は557.6MB/s、シーケンシャルライト(連続書き込み速度)は501.8MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは203.7MB/s、シーケンシャルライトは200.5MB/sです。
SSDは連続読み込み速度がほぼ理論値ですし、全体的に高速です。予算に余裕があるなら250GBから500GBに容量を増やすのもおすすめです。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkのスコアは12625でした。QuadroはOpenCLが低くなる傾向があります。ただ、GTX1060と同じくらいのスコアなので全体的に見たら高いほうです。さすがPascalです。
CINEBENCH R15(OpenGL)
CINEBENCHはOpenGLが131.79fps、CPUが880cbです。CINEBENCHはハイエンドの計測が駄目駄目ですね。次回から「SPECviewperf」も使うようにします。
3DMARK FireStrike
3DMARK FireStrikeは16615でした。今回衝撃を受けたのがこのFireStrikeです。Quadroってゲームは全然できないイメージだったのに、まさかGTX1080と同等のスコアとは・・・。
GTX1080は現在ハイスペックやハイエンドに位置するゲーム用グラフィックボードです。つまりQuadro P5000はどんなに重い最新ゲームでも快適にプレイできる性能を持っているということです。CAD用としてもゲーム用としても使える最強のデスクトップパソコンです。
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