クリエイター向けPCレビュー
メモリ16GBなのに格安!raytrek VF-AGK 評価・レビュー
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お絵描き、画像編集、動画編集のようなクリエイター的作業にはメモリ容量が重要です。8GBと16GBとでは快適性に大きな差が生まれます。だから私ならクリエイター向けPCを買う際にメモリ16GBにします。
raytrek VF-AGKは税抜き10万円台という格安ノートPCなのに、なんと16GBもメモリが搭載されています。普通この価格帯なら8GBが普通ですから、非常にコスパが良いことがわかります。どのような性能なのか評価してみました。
raytrek VF-AGKのスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 Home 64bit | Core i5-7200U(2コア/定格2.5GHz/最大3.1GHz) |
メモリ | グラフィックス |
16GB PC3-12800 | インテルHDグラフィックス620 |
ストレージ | チップセット |
250GB M.2 SSD + 1TB HDD | モバイル インテル 100シリーズ |
光学ドライブ | 液晶 |
DVDスーパーマルチドライブ | 17.3インチ 非光沢液晶(1920 x 1080) |
Core i5-7200U搭載ノートPCといえば、前回レビューした「raytrek debut! F-13」を思い出します。しかしraytrek debut! F-13とはCPU以外の何もかもが違います。
raytrek VF-AGKのほうがメモリ2倍、光学ドライブ搭載、ストレージ容量増大とあらゆる面で高性能になっています。ある意味ではraytrek debut! F-13の弱点を完璧に克服したのがraytrek VF-AGKと言えるでしょう。
また、raytrek VF-AGKは17インチ液晶が採用されています。やはり画面が大きいほうが作業しやすいものです。特にフォトショップやクリスタは画面領域が広いほうが明らかに使いやすいです。ただし大きくて重くもなるため持ち運びにはちょっと不便です。
raytrek VF-AGKの外観
raytrek VF-AGKのケース
raytrekですがDiginnosのロゴが入っています。光の関係で左側のほうが明るく見えますが、実際には均一のグレーです。
raytrek VF-AGKはノングレア液晶が採用されていて、反射が少ないです。光沢液晶とどちらが良いかは意見が分かれるところですが、私は目が疲れにくく、反射の少ないノングレア液晶のほうが好きです。
raytrek VF-AGKのインターフェイス、接続端子
特に癖のないキー配置です。お絵かきソフトのショートカットとしてテンキーを多様するので、私はテンキー搭載タイプのほうが便利だと感じます。
左側には電源端子とD-Sub出力、有線LANポート、HDMI出力、USB3.0端子があります。
右側にはマイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子、USB2.0端子が2つ、DVDスーパーマルチドライブ、盗難防止用 KensingtonLock取付け口があります。後ろ側には特に何もありません。
raytrek VF-AGKの性能を評価
raytrek VF-AGKのエンコード速度、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
エンコード速度をテスト
フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o
略
encoded 17020 frames, 17.43 fps, 6595.86 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 12.05% / x264: 78.19%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間16分16.8秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間16分29.6秒
ということでエンコードにかかった時間は「16分29秒」でした。うむむ・・・、どうにもエンコードは遅いですね。CPUの性能がそのまま反映されている感じがします。エンコードをもっと高速にしたいなら、Core i7-7700HQ搭載ノートPCをおすすめします。
Photoshopの快適性をテスト
Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 6.84秒 |
起動速度はCPUの性能とストレージの読み込み速度が大きく影響します。高性能なパソコンなら4秒程度で起動します。
写真を50枚読み込み
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 40.01秒 |
6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。メモリ16GBのおかげで後半になっても速度があまり落ちませんでした。メモリ8GBより明らかに早くなっています。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.42秒 |
保存速度 | 1.34秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.46秒 |
キャンバスサイズが小さければレイヤー数が多くてもサクサクです。お絵かきソフトが快適に動くことで作業効率も向上します。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 3.09秒 |
保存速度 | 3.74秒 |
焦点領域の反映速度 | 6.75秒 |
読み込みと保存は3秒台です。まだストレスを感じるほどの重さではありません。むしろ高速だと感じるでしょう。これくらいまでのサイズならまだメモリ8GBでも大丈夫です。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 7.20秒 |
保存速度 | 8.59秒 |
焦点領域の反映速度 | 8.67秒 |
ファイルが大きくなればなるほどメモリ容量の重要性が増します。例えばこのファイルをCLIP STUDIO PAINTに読み込ませたら、保存に19秒かかりました。一方でメモリ8GBのraytrek debut! F-13は1分もかかりました。同じCPUでもメモリ容量によって快適性が数倍も変わってくるのです。
ストレージの速度
raytrek VF-AGKには250GB SSDと1TB HDDが搭載されています。SSDのシーケンシャルリード(連続読み込み速度)は563.2MB/s、シーケンシャルライト(連続書き込み速度)は268.1MB/sです。読み込み速度は高速ですが、書き込み速度はやや遅いです。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkのスコアは1926でした。インテルHDグラフィックス620ならこんなものでしょう。グラフィックボードを搭載すればスコアが数倍に伸びます。
FurMark(OpenGL)
FurMarkを1920×1080のプリセットで動作させたところ、378というスコアでした。3DCG制作や3Dアニメーション制作、CADには性能が足りません。
3DMARK FireStrike(DirectX 11)
3DMARK FireStrikeは1011でした。3Dゲームもほぼ無理です。ゲームをしたいならGTX1060を搭載したゲーミングPCをおすすめします。お絵かき用ノートパソコンとしては非常に優秀でコスパも素晴らしいです。
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