クリエイター向けPCレビュー
ドスパラ raytrek ZF 評価・レビュー
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クリエイター向けPCの選び方として「自分が使うソフトウェアに適したパソコンだとおすすめされている」というものがあります。お絵描きするならPhotoshop、Painter、SAI等が動くことが最重要です。
今回レビューするraytrek ZFはドスパラでイラスト制作、マンガ制作、動画編集、RAW現像、写真編集、実況配信等、数多くの用途でおすすめされているお手本のようなクリエイター向けPCです。
raytrek ZFのスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 64bit | Core i9-10900K(10コア/定格3.70GHz/最大5.30GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
32GB(PC4-21300) | GeForce RTX3070 8GB |
ストレージ | チップセット |
1TB NVMe SSD | インテル Z490 |
光学ドライブ | 電源 |
DVDスーパーマルチドライブ | 850W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
凄まじく高級仕様です。CPUはINTEL最新世代で高性能なCore i9-10900Kを搭載しており、20スレッドに最大5.3GHzと何にでも使えるスペックです。エンコードが高速になりますし、GeForce RTX3070と組み合わせることにより重いゲームもサクサクです。
メモリは最初から32GB搭載されているので、メモリ不足になることはまずありません。イラスト制作から動画編集まですべてこなせます。ゲーム実況者等もメモリ32GBにしている人が多いですね。
ストレージ構成は少し悩みます。最初から高速な1TB NVMe SSDが搭載されているのはいいですけど、容量がやや心もとないです。私なら2TBか3TB HDDを追加します。1TB NVMe SSD + 1TB SSDという構成もおすすめです。
raytrek ZFの外観と内部
raytrek ZFのケース
前面、上部、背面の写真です。207(幅)×509(奥行き)×440(高さ) mmなので、そこそこ高さがあるケースです。
左側の写真です。2つの給気口にはケースファンを搭載できます。
右側です。
raytrek ZFのインターフェイス、接続端子
初めからブルーレイドライブが搭載されているのは珍しいです。最新は光学ドライブ非搭載なパソコンが多いですからね。もちろんブルーレイドライブはDVDも扱えます。未だに素材集はDVD-ROMで販売されていることもあるので、クリエイター向けに光学ドライブは必須だと思います。
ブルーレイドライブの下にはUSB3.0端子が2個、SDカードスロット、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。
背面のインターフェイスはマザーボードとGeForce RTX3070に分かれています。マザーボード側はPS2、USB2.0が2個、USB3.2 Gen1が2個、USB3.2 Gen2が2個、LANポート、サウンド関連端子があります。
GeForce RTX3070にはDisplayPortが3個とHDMIがあります。
raytrek ZFの内部
raytrek ZFのパーツを見ていきましょう。左側を開けるとCPU、メモリ、グラフィックボード等が見えます。3.5インチシャドウベイは右側のサイドパネルを開けないと見えません。
GeForce RTX3070です。PALIT製の「GeForce RTX 3070 GamingPro」のようです。ファンが3つも付いていますから冷却性能は抜群です。
raytrek ZFの性能を評価
raytrek ZFのエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
エンコード速度をテスト
フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o
略
encoded 17020 frames, 119.58 fps, 6760.56 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 21.67% / x264: 71.46%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 2分22.4秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 2分27.2秒
総エンコード時間は2分27秒でした。これメチャクチャ高速です!さすがは10コア・20スレッドのCPUです。メモリ32GBも搭載されていますし、動画編集にとても向いているデスクトップPCですよ。
Photoshopの快適性をテスト
Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。それぞれ3回計測して、その平均値を掲載します。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 5.23秒 |
起動速度は約5秒でした。photoshopは年々重くなっているので、ハイスペックPCでもこれくらいかかります。
写真を50枚読み込み
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 17.66秒 |
6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。20秒以内で完了するのは非常に高速です。この時点でサクサクに動作するクリエイター向けPCだと判明しています。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 0.89秒 |
保存速度 | 1.03秒 |
焦点領域の反映速度 | 1.22秒 |
軽いファイルだと1秒前後で完了します。これくらいだと「raytrek MX」のようなミドルスペックとそこまで差はつきません。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.71秒 |
保存速度 | 2.44秒 |
焦点領域の反映速度 | 2.27秒 |
キャンバスサイズが4倍に増えてもまだまだ高速です。ほとんど一瞬で完了するためストレスなく作業できます。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 3.73秒 |
保存速度 | 5.63秒 |
焦点領域の反映速度 | 2.38秒 |
ファイルサイズが大きくなっても保存以外は3秒前後です。こんなに高速なのは非常に珍しいです。無駄な時間を削減するにはハイスペックPCが欠かせません。
CLIP STUDIO PAINTの快適性をテスト
Photoshopで使用したファイルをCLIP STUDIOのファイル形式に変換して計測しました。.psdのままだと時間がかかってしまいます。
CLIP STUDIO PAINTの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 2.44秒 |
CLIP STUDIOからCLIP STUDIO PAINTが起動するまでの時間です。Photoshopに比べてずっと早いですね。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.13秒 |
保存速度 | 1.88秒 |
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.62秒 |
保存速度 | 3.45秒 |
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 3.44秒 |
保存速度 | 12.54秒 |
5000px × 3000pxだとなぜか12秒もかかってしまいました。しかし4秒以内に完了することもあったりするのでちょっと謎です。
ストレージの速度
CrystalDiskMarkでストレージの速度を計測しました。最近は超高速なNVMe SSDを標準搭載するBTOパソコンが増えていてありがたいです。SATA SSDより数倍、HDDより10倍以上も高速です。
LuxMark
LuxMarkというOpenCLの性能を計測できるベンチマークソフトを使用しました。スコアは51356です。なんとRTX2070 SUPERより75%もスコアが伸びています。ちなみにCPU内蔵グラフィックスの25倍です。
FurMark
OpenGLの性能を計測できるFurMarkです。RTX3070だと11530もいくんですね。Quadro P2000 5GBだと約3000なので、GeForceシリーズのコスパの良さが光ります。
3DMARK FireStrike
3DMARKはDirectXの性能、つまりオンラインゲームがどれだけ快適になるかを計測できるベンチマークソフトです。CPU内蔵グラフィックスの約13倍、GeForce GTX1060の約2.5倍です。シンプルに素晴らしい性能です。
ゲーム、イラスト制作、動画編集、3DCG制作まですべてをこなせる高性能なデスクトップPCですから、もうこれさえ買っておけば困ることはまずありません。今買うならとてもおすすめです。
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