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漫画を完成できないと起こる4つの弊害と完成させる秘訣7つ

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漫画でも、イラストでも、プロが「とにかく完成させる事」とアドバイスしている場面をよく目にしますよね。多くのプロが「完成させる事」を説くのには大切な理由があるんです。完成させる事がなぜ大事なのか?今回は漫画を完成させられないと起こる4つの弊害と完成させるための秘訣を7つご紹介します。

作品を完成できないと何も始まらない

完成できないと起こる弊害の1つ目。多くの人が真っ先に頭に浮かぶ弊害はこれではないでしょうか。

プロを目指す人は、自分がどのようなプロセスでプロになり、人気が出て、その世界で食べていけるようになるか、思い描いた事は一度や二度ではないはずです。

誰でも失敗は恐いもの。最初の一歩はとても勇気がいるものです。ですが、完成させなければ、失敗も無いですが成功もありませんよね。

多くの成功したプロも皆たくさん失敗してきています。自転車の練習のように走り出すまでは勇気がいりますが、転びながらでしかコツは掴めません。まずは走り出すために完成させましょう!

作品を完成させる力が鍛えられない

完成できないと起こる2つ目の弊害。漫画やイラストを最後まで描き切る力は、筋トレのように鍛えていくものです。

ひとつの作品を完成させる事は想像以上に大変です。

例えば漫画なら、プロットでストーリーを決め、ネームに起こし、それを元に下描きをし、さらに背景、ペン入れ、ホワイトで修正、ベタ塗り、仕上げ……と、多くのステップを踏んでいくわけですが、その一つ一つがとても大変な作業です。

描き切るには強い集中力と気力と体力が必要ですし、慣れないうちは時間もかかるから、途中で心が折れてしまう人が非常に多いんですよね。

克服するには筋トレのように何本も何本も完成させる事で「完成させる力」を鍛える以外に方法はありません。だから辛いんです。でも、ここが踏ん張りどころ。

登山と同じで、最初は死ぬ程大変だけれど何度も同じ山を登っていくうちに登りやすくなっていきます。最初は大変だったのが、だんだん「完成させるのが当たり前」になっていきますよ。

たくさん完成させて完成させる力を鍛え伸ばしましょう!

完成させる事でしか身に付かない多くのものを得られない

完成できないと起こる3つ目の弊害です。自分は画力がまだまだだからとデッサンの勉強に何年もかけたり、映画や小説で物語作りの研究に没頭したり、未完成なネームの山をたくさん築き上げたり……。たしかにそれでも成長は感じられるでしょうが、作品を完成させる事で得られる成長はそれらとは比べ物にならないくらい多いです。

なぜなら実際に勝負に出すのは「完成品」だからです。

料理も質の良い材料を揃えても調理の腕が良くなければ美味しくなりませんし、包丁捌きが完璧でも焼き方が下手だと台無しです。いくら美味しくつくれても盛り付けがあまりに汚ければ人から食べてもらえません。

ところが、包丁捌きばかり練習していると、自分が焼き方が下手な事にも盛り付けが汚い事にも気付けないわけです。

満足いく包丁捌きを会得して、さぁ完成品を賞に出すぞ!となっても、実は盛り付けが合格点まで行くレベルにする方が大変だった……なんて事になりかねません。そこからさらに棒大な時間がかかるかもしれず、気の遠く成る程の遠回りになります。

1つの作品を完成させてはじめて、自分が本当に足りないもの、今後伸ばしていくべきものが見えてくるわけです。

それに、完成までに必要な時間の計算やペース配分も経験を重ねないと見えてきません。

効率良い作業の進め方も完成させてはじめて見つけられる部分が多いですし、気分が乗らず描けない時の乗り越え方も身に付きません。

これらの能力はプロになってからかなり重要になっていきます。

作品を完成させる事で得られる経験値は、ただ練習だけを重ねたり未完成品の山を築き上げるのとは比じゃなく、レベルアップのスピードが全然違います。完成作品をどんどん生み出して、最速でレベルアップしていきましょう!

作品の需要が読めず努力の方向を間違えてしまう

完成できないと起こる4つ目の弊害。これが実は最も重要です。物作りには正解がありません。漫画もイラストも、誰が見ても完璧なものはまずありません。世の中にはたくさんの人がいて、好みも千差万別だからです。

完璧に上手い絵であれば、完璧に上手いストーリーであれば、必ず成功するはずだ。そんな風に考えてしまいがちですが、実はそうでもないんですね。

プロになるという事は、見る人の需要にこたえるという事です。その需要は、作品を完成させて多くの人に見せて反応をもらう事ではじめて見えてくるものです。

もしかしたらあなたの絵柄に求められているものは、デッサン力よりも感情がビリビリ伝わるような表現力かもしれません。クスッとくるようなユーモアかもしれません。緻密に描かれた背景の迫力かもしれません。

まずは完成させて、公開しましょう。そして感想をたくさんもらいましょう。自分の作品のどこが武器になるかは案外自分では見えないものです。自分の武器が何かわかれば努力の方向性も定まります。正しい方向に努力する事で、プロへの道がグッと縮まりますよ。

漫画を最後まで完成させるための秘訣

漫画を描くと疲れて最後まで描けない……。飽きるから完成できない……。もっと良いストーリーが思いついてそっちを描きたくなってしまう……。

漫画を完成できない理由はいろいろありますが、どのようにして乗り越えていけばいいのでしょうか。その秘訣をご紹介します。

これからご紹介する秘訣は、全てを行う必要はありません。いろいろ試して自分に合ったやり方を見つけてくださいね。

自分の作画スピードを知る

人間の脳は、計画をより具体的に立てる事によってモチベーションがアップし、集中状態に入る事ができます。

自分の作画スピードがわからないと、「今日は休みだから1日中やって6ページは進めるだろう!」とザックリ考えて、ついダラダラと無駄な事をしてしまい、思ったより進まずに挫折……なんて事を繰り返しやすくなります。

この小さな挫折の繰り返しがモチベーションをみるみると落とし、最終的に描けなくしてしまうんです。

作画スピードを知れば、「自分は下描き1枚1時間半かかるから今日の午後から6時間描けば4ページ描ける」と具体的な計画を立てられますし、無駄な事をしようとも思わなくなります。

そして、4ページの予定が5ページ、6ページと描けたりした日には、自分の成長を感じられてモチベーションもさらに上がります。

作業中はストップウォッチを横に置いて自分の作業スピードを測り、1ページに平均どれくらいかかるのか、1行程にどれくらい日数必要か、把握するようにしましょう。

無理なくこなせる目標を設定

焦っている時ほど人は無理な目標を設定してしまいがちです。

「昨日は3ページしか描けなかったから今日は遅れを取り戻すために9ページ描く!」「予定よりだいぶ遅れてしまっているから今日と明日で徹夜してここまで終わらせる!」ついついやってしまいがちですが、無理な目標はストレス値を急上昇させるだけでなく、挫折の原因にもなります。

無理な目標設定は上手くこなせない場合が多いです。それが小さな挫折となり、それを積み重ねれば「自分はなんてだめなんだ」「自分にはやっぱり無理なんだ」と最後まで描ききるのを諦めさせてしまいます。

目標を設定する時は、自分の無理なくこなせるペースを把握して、ストレス無くこなせそうなものにしましょう。そして「昨日の自分よりももっとできるようになる!」と意識すれば、知らず知らずに筆も早くなりますよ。

成功の数よりも失敗の数を目標にする

完璧主義な人は何も為せない、と言われています。完璧主義すぎる人は失敗を恐れすぎるあまり動けないまま終わる事が漫画やイラストに限らずとても多いのだそうです。

世の成功者は皆、成功の数以上に失敗の数を重ねています。ドラゴンボールの鳥山明先生が大量に没ネームを重ねた話は有名ですし、アラレちゃんより前の読み切りはアンケートが悪いものが多かったそうです。

漫画を完成できない人には、成功の数を目標にしているがために、完璧な作品にしなくてはと思いすぎて途中で修正点がいくつも見えて来て没にして……を繰り返している人が非常に多いです。それでは一生完成させられないまま終わってしまいますよね。

成功からよりも、失敗の数を目標にしましょう。

どの世界でも、成功している人は圧倒的に行動の数が違います。考えすぎて動けいないのが1番よくありません。失敗の数を目標にする事で完璧主義の足枷が外れて動きやすくなり、漫画を完成できるようになります。

成功よりも失敗からの方が学べる数が多いとも言いますよね。失敗は成功のためには必要な事。とにかく描いて、完成させて、たくさん世に出しましょう!成長スピードも全然違いますよ。

飽きても辛くても描いて自分が鍛えられている事を感じる

描いているうちに途中で飽きたり辛くなって違うのを描きたくなる。そんな自分は漫画の才能無いのかな……なんて思っていませんか?

安心してください。プロの漫画家も飽きるし辛くなるし途中で投げ出したくなる事もたくさんたくさん、たーーーくさん、あります。

では何が違うのかというと、飽きても辛くても、それでも描き切る力の強さです。

最後まで描き切る力の強さは、筋肉の強さとよく似ています。鍛えれば鍛えるほど強くなっていくんです。

飽きたり辛くなったときに、いかにしてモチベーションを上げて描き続けるか?自分なりの方法を見つけていきましょう。あらゆる手段を使って原稿にかじりついていきましょう。すると筋トレのように、原稿にかじりつける力の強さが増していきます。最終的には1日15時間机に向かってもそれが普通と思えるようになります。その力はプロになってからも物凄く役立ちます。

そして、昨日の自分よりも今日の自分の方が長時間原稿と向き合えたら、自分をたくさん褒めてあげてください。だって、普通の人じゃできない事をしようとしてるんですから。

プロの漫画家は全員、人間からモンスターへの進化に成功した人達です。比べては自信を無くしてしまいます。プロだって最初は漫画を完成させられなくて悩んでいた人もたくさん居ますよ。自分に自信を持って、ふんばってくださいね!

一つ一つの作業に目標を設定してやりがいを作る

ゲームは細かな目標を設けてプレイヤーのモチベーションをアップさせて、飽きずにプレイしてもらう工夫をしているそうです。脳科学に基づいたモチベーションアップ方法が使われているので、制作活動でも応用しちゃいましょう。

漫画を描く作業もゲームのように一つ一つの作業に目標を設定しておきましょう。この場合は、「今の自分のレベルよりも、ほんのちょっとだけ難しい目標」にする事がポイントです。

あまりに無理難題だと逆にモチベーションが下がってしまうので注意。「ほんのちょっとだけ難しい」というのがポイントです。

例えば、1ページに1時間半かかっているのを1時間25分にしてみるとか。1日5ページが平均なのを5ページと3コマにしてみるとか。達成できたときの自分へのご褒美も忘れずに。

同じ事の繰り返しでモチベーションが下がってしまうタイプの人はとくに、ゲームのように今よりもちょっと難しい事にチャレンジするだけでグンとモチベーションが上がって漫画を最後まで描き切る力になりますよ。

一緒に頑張れる友達をつくる

漫画を描くのは孤独な作業です。1人きりで黙々と作業を進めるので、ついだらけてしまう人も多いですよね。

そんな時は一緒に頑張れる友達をつくるだけでモチベーションが上がり漫画を最後まで描き切るための力になりますよ。

とは言っても新しく友達をつくるなんてなかなか難しかったりもしますよね。そんな時はディスコード等で一緒に作業するためのチャンネルに所属して皆でワイワイお話しながら作業をしてみましょう。

ディスコードは賑わっているチャンネルに所属する事ができれば24時間いつでも誰かしらルームでお話しています。そこへ入って会話をしながら作業をすればあら不思議、いつの間にか今日のノルマ達成!きっと最後まで描き切る力になりますよ。

他の人もみんな作業しながらの会話なので刺激を受けてやる気が出ますよ。チャンネルによってルールがいろいろあります。ネットで検索するとメンバー募集の専用掲示板がいろいろ出てくるので、自分にぴったりのチャンネルを探してみましょう。

完成させるだけでも凄い事だと知って自分をたくさん褒める

意外と重要なのが、自分で自分をたくさん褒める事です。

最後まで描き切る事のできない人は、「今描いているものがだんだん駄作に思えて来る」「自分にはこの作品を完成させるのは無理な気がしてくる」ことでモチベーションが下がりに下がって、完成を諦めてしまうというものが非常に多いです。

この大きな原因となっているのが、自己否定感です。

自己否定の心が強い人ほど、今向き合っている事をやりとげる事への自信が無くなり、結果途中で作品の完成を諦めてしまいやすいんです。もっと完璧な作品を作らなければ、もっと完璧な作業環境にしなくては、と思いすぎてしまうんですね。

これだけは強く覚えていてほしいのが、「漫画を1作描き切るというのは普通の人にはできないとんでもなく凄い事」だという事です。

32ページの読み切りを描くなんて言ったらもう、普通の人がダイエットで10キロの減量に成功するくらいには凄い事なんですよ。

体作りに慣れてきた人なら「この食事と運動で1ヶ月でこれだけ体重が落ちて、停滞期がこのあたりに来るから〜……」なんて計画的に淡々とこなしていけますよね。でも普通の人はここまでできず挫折する人の方が多いくらいです。

逆に言えば、ここまでできるからこそ「プロ」になれますし、プロを目指しているわけでなくても、理想の体を作る事のできる自分になるんです!

だって、普通の人に「きちんとプロット作って、ネーム描いて、下描きしてペン入れして、背景も入れて、ベタにホワイトもやって、効果線入れてトーンも貼って、32ページの読み切り完成させてみて!」と言ってみてください。絶対に無理ですよね?こんな大変な事、描く事が大好きじゃなかったら挑戦しようとすら思えないですし、挑戦したとして途中で挫折するのは目に見えています。

それくらい大変な事にあなたは挑戦しているんです!

最初からそんな読み切り描ける人が居たらその人は相当に変態的なまでの漫画好きと言えるでしょう。大抵の人は最初からはできません。少しずつステップアップしていくものです。

最初は1ページ漫画から始めてみてもいいですし、4コマだって良い。少しずつ積み上げていけば8ページが楽々描けるようになり、16ページ、32ページ、ついには連載のペースも可能なくらい描けるようになっていきます。

最後まで完成させられなくてもどうか自分を責めないで。

もし完成させられたときは、目一杯自分を褒めてあげてくださいね。

まとめ

漫画を最後まで描き切り完成させるだけで、とても多くのものを得られます。レベルアップのスピードも断然早いですよ。

自分にピッタリのやり方で良いので、色々試してみて。まずは一作完成させてみましょう。

最初は途方もなく大変な作業です。ですが繰り返すうちに筋トレのように力が付いて、完成させるのが当たり前になっていくでしょう。そうなればさらに、思い通りの作品を描く事にチャレンジしていけますよ。

漫画を完成させられるって、本当に凄い事なんです。凄い事に挑戦しているんだから、できなくても自分を責めないで。一歩一歩、焦らず進んでいきましょうね。

一緒にがんばりましょう!

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