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「漫画家になるには映画をたくさん見るべき」の真の意味

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「漫画家になるには漫画ばかり読んではだめ」「映画や小説をたくさん見るべき」という話があります。だからと言って漫画を読まず他の物ばかり見てしまうとそれもそれで問題だったり。編集者やプロ漫画家が「漫画ばかり読んでいてはだめ」と言う真の意味とは?プロの漫画家が編集者や周りの漫画家の話をまとめてみましたよ。

編集者が映画や小説も読む事をすすめる本当の理由

「漫画家になるには漫画ばかり読んでいてはだめだ」と聞いたからといって漫画を読むのを控えて映画や小説ばかり見るようになってしまった投稿者をたまに見かけます。果たして本当に漫画を読むのを控えて映画や小説をたくさん見れば漫画家に近付けるのでしょうか?

答えは、NOです。

実はこの「漫画ばかり読んでいてはだめ」というのは「漫画を読むのを控えろ」という意味ではないのです。

「漫画をたくさん読み込んで漫画の研究をしている」事は大前提で、その上で「それだけではダメだ」という事を編集者もプロも言っているわけですね。

売れているプロ漫画家の漫画を読む量は尋常じゃない

実際に編集者の方から聞いたのですが、売れているプロ漫画家ほど大量に漫画を読み込んで研究しています。

「自分はあまり漫画を読まない」と言うプロでも、周りのプロ漫画家の読む漫画量が尋常じゃないため、「それに比べれば読まない方だ」というだけで、一般人に比べれば遥かに多く深く読み込んでいます。

そうして漫画を研究し築き上げたベースの上で、映画や小説、日常、音楽、ゲームなどなど。プロ漫画家はいろいろなものから刺激を受けて作品に活かしています。

表現の幅を広げるためだったり、感受性を磨くためだったり、単純に刺激を受けるためだったり。

漫画を読み込んで研究し築き上げたベースの上にそれらのプラスαを乗せることで、面白い漫画が描けるわけです。

やっぱり1番は「漫画をたくさん読んで研究する事」

面白い漫画を描くためには、1番にはやはり漫画をたくさん読んで研究する事が大切。

小説には小説の演出方法が、映画には映画の、アニメにはアニメの、音楽には音楽、ゲームにはゲームの、それぞれの演出方法があり、それらは全くの別物です。例えるならストーリーをより面白く伝えるための「言語」のようなものです。

迫力あるバトルシーンを出すために、映画はカメラワークや音楽を駆使しますよね。他にもプロにしかわからない様々なテクニックが存在しているでしょう。

それが映画で表現をする「言語」なら、漫画も漫画を表現する「言語」があります。

視線誘導による「読者の視線を勢いよく流れさせる工夫」や「視線の流れと絵を上手く使って本当に動いているように見せるテクニック」、「効果音の大きさと位置」や「キャラの感情の表し方」「セリフの量やフキダシの位置」「テンポとコマワリの取り方」などなど、書き出せばキリがないくらいの様々なテクニックが存在しています。それら全てが漫画を表現する「言語」で、手法の違う映画や小説には一切無いものです。

漫画の「言語」は映画では通用しませんし、映画の「言語」も漫画では通用しません。「アレンジして取り入れる」事はできてもそのままでは使えませんし、そのアレンジも漫画の「言語」のベースが身についていてこそ出来る事です。

漫画を表現する「言語」は漫画を深く深く深く読み込む事ではじめて見えてきます。

漫画家になりたくて漫画が好きで好きで大好きな人は、自然と漫画を深く読み込み、こういった細かなテクニックを意識的にも無意識的にも吸収しながら読んでいます。

そうやて、漫画という「言語」の言葉のレパートリーを増やす事で、表現が豊かになり、より面白い漫画が描けるようになるんですね。

映画や小説など漫画以外のものから吸収する事はもちろん大切ですが、その前に漫画を深く深く深く読み込み研究して、しっかりと漫画という媒体を使った表現、漫画という「言語」のベースをつくりましょう。

映画や小説じゃないとダメ!というわけでもない

漫画以外のものから吸収するならカメラワークが漫画の参考にもなる映画が1番!いやいや、言葉のレパートリーが増やせる小説が1番!そんな風に決めつけていませんか?

実はプロ漫画家の間でも、漫画以外で刺激を受けるものは、人によってとってもバラバラなんです。

私の周りの漫画家も、映画や小説ではなく、ゲームから刺激を受けている人、舞台から刺激を受けている人、山登りなど大自然と触れ合って刺激を受けている人などなど、本当に様々です。

「尊敬する漫画家が映画をたくさん見ると言っていたから自分もたくさん見なくては!」なんて思わずに、自分が好き!と思ったものから刺激を受けることが1番です。

私も映画や小説はたまに手が出る程度ですが、音楽からはとっても刺激を受けていて、常にAmazonミュージックで新作を聴き漁っています。あんなに短いフレーズなのに人の心に深く突き刺さるリアルな心理描写をする所に強く惹かれます。たった5分前後で1つの物語を描いていたりして、震える程感動し、描く漫画にもとても影響を受けています。

これじゃなきゃだめ!と決め付けず、いろいろなものに触れてみると良いですよ。

まとめ

「漫画の研究ばかりではだめ」だけど「漫画の研究をおざなりにしてはだめ」。漫画を深く深く読み込んで研究し、ベースを築き上げた上で様々なものに触れましょう。ベースの上にプラスαが乗っかってはじめて面白い漫画が生まれます。

まずは漫画で表現するための漫画の「言語」を覚えましょう。その上で、自分の興味のあるものからどんどん刺激を受けて、どんどん作品に吸収すれば、あなたの描く漫画は今よりももっと面白くなりますよ。

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