燈乃しえの備忘録- 絵師ノート公式ブログ -

ホーム / 燈乃しえの備忘録 / 小学館、講談社、集英社、それぞれの担当さんとやりとりし続けた結果

小学館、講談社、集英社、それぞれの担当さんとやりとりし続けた結果

投稿日: 更新日:

※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

早くデビューしたいなら自分にあった出版社を探すべきとはよく聞きますが、東京近郊に住んでいないとなかなかいろいろな出版社に足を運んで比較をするのは難しいですよね。そこで今回は小学館、講談社、集英社の3つの出版社の少女漫画雑誌に実際に持ち込み、数ヶ月間担当さんとやりとりを続けた感想をお伝えします。

早筆だと有利!“売る”戦略を立てるのが得意な小学館

戦略的に漫画を売る事が得意なのが小学館です。小学館の少女雑誌の担当さんにとにかく言われたのが「2ヶ月に1回の投稿ペースを必ず守る事」。小学館の少女誌は月刊誌と並行して別冊に読み切りを2ヶ月に1度執筆するのが普通だったり、隔週連載でも別冊に描き下ろしを載せたりとハードスケジュールな作家さんが多いです。

それには理由があって、読者は小~中学生が多いので別冊などで顔を出す場が多ければ多いほど読者の印象に残り売れる傾向にあるのだと担当さんは言っていました。

他にもおもちゃメーカーとのパイプも太く、妖怪ウォッチやポケモン、アイカツ!、たまごっちなどの爆売れコンテンツのコミカライズを引っ張ってくるのも得意です。“漫画という商品を売るノウハウ”がしっかりと出来ていて、その“売るノウハウに乗れる作家かどうか”が求められている印象でした。

「筆の速さと体力とハングリー精神は誰にも負けない!」「絵が好きで漫画家目指してるけど何を描いたらいいの?」という人は小学館の少女誌にピッタリ。描きたいものが定まっていない人も、小学館の長年のノウハウに乗ればドラえもんやコナンに次ぐ国民的キャラクターがつくれちゃうかもしれませんよ!

面白ければ奇抜な作品も大歓迎!自由度の高い講談社

一番自由度の高い印象を受けたのが講談社です。面白ければどんなものでも大歓迎な雰囲気で、担当さんからのアドバイスも「こうしたら売れる!」というよりも「こうした方がもっとこの作品の魅力が出る!」というものが多かったです。

作品の題材も、他の出版社は「こういうのが人気出るから」「こういうのが今売れているから」とある程度絞られて、あまりにもそこから外れたものは描かせてもらえませんでしたが、講談社は自由に提案させてくれて、面白そうであれば描かせてくれました。

絵柄やネームへのアドバイスも、その作品の魅力をもっと引き出すために向き合ってくれている感じで、売れ線ネタを押し付けられる事もなく、他では渋られそうな受けるかわからない実験的な事もやらせてもらいやすかったです。

「これが描きたいから漫画家になるんだ!」「広く受けるよりニッチな層に向けて楽しく描きたい!」そんな人は講談社がピッタリ。自由度の高いぶん売れるも売れないも自分次第ですが、だからこそやりがいがあります。講談社で自分の能力を爆発させちゃいましょう!

王道で勝負ならここ!人気作のノウハウばっちりな集英社

面白い漫画を描くためのノウハウが一番しっかりしているのが集英社です。少年誌だけでなく少女誌も王道を極めていて、万人に受け入れられるような“売れる名作をつくる”のが大得意です。

売れ線へのリサーチ力はズバ抜けて高く、目の描き方から題材選び、キャラクターの性格まで指導も細かいですが裏付けのある信頼できるアドバイスなのですごく勉強になります。

あまりにも王道から外れたものは受け入れ難しい印象でしたが、やはりより広く人に受けるものは王道ものが多いので、大人気作を目指しているなら集英社のアドバイスはとても身になります。人気作に“育てる”意識の一番強い出版社でした。

「自分の描きたいものよりも楽しんでもらえるものを描きたい!」「よりたくさんの人に読んでもらいたい!」という人は集英社がピッタリ。王道を極めた集英社に指導してもらえば、たくさんの読者を楽しませる漫画が描けるようになりますよ。目指せ超名作!

まとめ

筆者はそれぞれの出版社のいろいろな雑誌に数作投稿した末に一社に絞ったのでデビューを果たすまでに何年もかかってしまいましたが、他の雑誌で何作出してもダメだったのが別の雑誌で一発デビューなんで事もあるのがこの世界。そんな大事な投稿先選びの参考になれば幸いです。

おすすめの記事

タグ

絵師ノートとは

こんにちは!燈乃しえ(とうのしえ)です!絵師ノートはイラスト制作に役立つ情報をお届けします。イラスト制作の基礎知識、上達の方法、顔や背景の描き方など実践的な記事を取り揃えています。また、イラスト制作におすすめのクリエイター向けPCや周辺機器も紹介しています。