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プロ漫画家がBTOパソコンを購入後4年間使った体験談

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パソコンで漫画やイラストを描くためにはBTOパソコンが良いという感想を良く耳にしますが、BTOパソコンは家電量販店で実機を見られないので最初は不安になりますよね。

BTOパソコンにするとどれだけ快適になるの?壊れやすいって噂も聞くけど実際どうなの?プロ漫画家が実際に買って4年以上使ってみたのでレビューしてみますよ!

BTOパソコン購入前に使っていたパソコンのスペック

私は2014年に某雑誌でデビューしましたが、投稿時代はアナログだったのをデビューをキッカケにデジタルに切り替えました。

ところが、家にあったパソコンにデビューの賞金で購入した液タブとクリスタを導入したものの、カクつきや遅延がめちゃくちゃ多い。

パソコンは2011年に購入したものなので、クリスタの推奨スペックは満たしていましたが、それでも作業が辛いレベルでした。

その時のパソコンのスペックがこちらです。

  • CPU : Intel Core i5
  • メモリ : 8GB
  • HDD : 750GB
  • SSD : 256GB
  • グラフィックカード : 無し

32ページの原稿では、3D素材が動かないどころかデコレーションブラシが固まって使い物になりませんでした。3D素材はグラフィックカードが入ってないので諦めていましたが、デコレーションブラシのカクつきは想像していませんでした。

2011年の普通のパソコンはクリスタが固まりまくった

どれくらいカクついたかというと、ブラシを動かして5~6秒後にやっと描写される有様でした。商業向けの原稿はB4サイズの600dpiとサイズが大きい上に32ページとページ数も多いので尚更重かったのでしょう。デコレーションブラシはカケアミやトーンの削りで多用するので締め切り前は本当に辛かったです。

そんな中でもなんとか読み切り数本を締め切りに合わせて描き、2016年に描いた読み切りが好評で連載会議に出しても良いと言ってもらえました。

そこで、このパソコンのままだと連載のペースに追いつけないと思いBTOパソコンへの買い替えを決意したわけです。

買ったのはクリエイター向けBTOパソコン「raytrek LT M2」

2016年にドスパラでクリエイター向けのBTOパソコン「raytrek LT M2」を購入しました。

ちなみにその時に組んだスペックがこちらです。

  • CPU : Intel Core i7-6700
  • メモリ : 32GB (16GBから変更)
  • HDD : 1TB + 2TB (2TBから変更)
  • SSD : 480GB (250GBから変更)
  • グラフィックカード : Quadro M2000

買うからには絶対にサクサク快適に描けてほしかったので、メモリとHDDとSSDをこれでもかと多めに変更しました。こんな風に自分の好みに自由にカスタマイズできるのもBTOパソコンの良い所ですね。

値段は税込185,188円でした。ここまでゴリゴリにスペック良くしてこの価格はかなり安い。ちなみにカスタム無しだと164,980円でした。

ドスパラのraytrekシリーズはこちら

結果、めちゃくちゃ快適に漫画原稿が描けた!

届いたパソコンでさっそくクリスタを使ってみたら……。びっくりするほど快適になりました!

3D素材もデコレーションブラシもサクサク動く!それだけでなく、普通のペンもほんの僅かな遅延が無くなり、ペン先を素早く動かしても瞬時に描写してくれて。この僅かな差はかなりの描き心地の良さを生みました。

フリーズや強制終了も一切しなくなり、突然の強制終了で「保存してない!どうしよう!」なんて事故とも無縁になりました。

無事に連載までいき月間連載をしましたが、サクサク快適になりスピードも上がったのでアシスタント無しでも最終回まで無事に描き切る事ができました。

BTOパソコンって壊れやすいって聞くけど……どうなの?

クリスタもサクサク動くし、フリーズも強制終了もしなくなったし、使い心地はもう最高!のBTOパソコン。

でも購入前に聞いた「BTOパソコンは壊れやすい」という噂が脳裏をよぎります。購入して1年2年で壊れたらショックすぎますよね。

原稿作業中は起きたらすぐに作業に取り掛かって、限界が来たらそのまま眠る生活なので、パソコンは締め切り前の1週間は24時間つけっぱなしという酷使っぷり。

締め切り前以外はなるべくシャットダウンして、冷房の当たりやすい良い涼しい場所に本体を置いて熱がこもらないよう気を付けているものの、かなり心配です。

壊れないで……お願い……と念じながら使い続けました。

そして、今年で4年が経過しました。

壊れないどころか4年目の現在もサクサク!

結果、4年目の現在も壊れないどころか、相変わらずのサクサクぶりを見せています。

これまでフリーズした事も強制終了した事も1度もありません。もしかしたら覚えていないだけで年に1度くらいはあるのかもしれませんが記憶に残らないレベルです。なんならiPad Proの方がフリーズや強制終了してます。(アプリ側の問題が多そうですが……)

まだまだ壊れる気配の無いBTOパソコン。パソコンの寿命は5年と言われていますが、5年目以降も頑張ってほしいですね。

2020年の「raytrek LT M2」に当たるクリエイター向けBTOパソコン

これを読んで「raytrek LT M2」が気になった方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら「raytrek LT M2」は現在は販売終了しています。

「raytrek LT M2」は手に入りませんが、もし2020年現在で同等の物を購入するとしたら「raytrek XV」が良いでしょう。

クリエイター向けBTOパソコン「raytrek XV」

  • CPU : Intel Core i7-9700K
  • メモリ : 16GB
  • HDD : 2TB
  • SSD : 512GB
  • グラフィックカード : GeForce RTX 2060 SUPER 8GB

CPUとメモリをもっと良いものにしたかったら「raytrek ZV」もおすすめです。価格を抑えたいなら「raytrek MX i5」が109,980円と安くてクリスタをサクサク動かすための最低限のスペックが揃っているのでコスパ◎。

参考にしてみてくださいね。

ドスパラのraytrekシリーズはこちら

まとめ

BTOパソコンって、本格的にイラストや漫画を描いたりゲームをやっていない限りはあまり聞き馴染みが無いので最初は不安ですよね。

低価格なのにハイスペックなBTOパソコンは、壊れやすいなんて事もなく、4年目もフリーズや強制終了知らずでサクサク快適に動いています。

現在のパソコンでイラストや漫画を描くのにストレスを感じていたり、これから本格的に機材を揃えたいと思っている人の参考になれば幸いです。

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