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漫画原稿をアナログからデジタルに切り替えると逆に時間がかかる原因は?

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プロの漫画家の間では、アナログからデジタルに切り替えて、作業が格段に早くなった!という人と、逆に遅くなってしまった!という人に意見が分かれています。遅くなる人はなぜ遅くなるのでしょうか?原因と対策をご紹介します。

デジタルの方が時間がかかるようになったと感じる原因

本来ならデジタルの方が時短ツールもたくさんあるので早くなるはずです。アナログの頃はアシスタントを何人も雇っていた人が、デジタルに切り替えたら月刊連載をアシ無しで全て1人で描けるようになるほど大きな差です。

これはもう単純に「アナログのペン捌きが早かったから」という理由だけでは片付きませんよね。

なぜデジタルに切り替えるとかえって時間がかかる事があるのでしょうか?その原因に迫ってみましょう。

使っているブラシが自分に合わず一発で線が決まらない

最初から入っているGペンや丸ペンといったブラシツールは、ある程度自分でカスタマイズしないとなかなか使い辛いです。

線を引いても補正がききすぎて思った線と違ってしまったり、逆に補正が無さすぎて手振れが反映されすぎてしまったり……。ブラシが自分に合っていないと一発で好みの線にならず時間がかかってしまう原因に。

慣れてきて自分で設定をいじれるようにまでなれれば良いのですが、最初はハードルが高いので、予めカスタマイズされた「ブラシ素材」をダウンロードして使うと良いですよ。

クリスタの「素材を探す」で「ペン入れ」「線画」等で検索し「人気順」に並べ替えると書き味の良い人気のブラシがズラリと出てくるので、いろいろダウンロードして試してみましょう。

描く時に拡大しすぎて丁寧に描きすぎている

拡大して描くと細かい所も丁寧に描けて便利なのですが、それ故に拡大しすぎるとついつい丁寧にたくさん描き込みたくなってしまいます。

アナログの頃は上手に力を抜いて、ちょっと線がはみ出たりスキマができても味として楽しめていたのが、デジタルだといくらでも修正が可能なため沢山拡大して1ミリの線のはみ出しも途切れも無いよう力を入れすぎてしまう人が多いんです。

拡大しすぎず、ほどよいサイズでササッと描くのがコツ。デジタルでも力を抜いて、アナログの時のようにエラーを楽しみましょう。

PCのスペック不足で動作が遅くなっている

単純にPCのスペック不足の人もとても多いです。もしも手持ちのノートパソコンや近場の家電量販店で買った普通のデスクトップPCで作業をしているならかなりの確率でこれが原因。

プロが仕事で描くイラストや漫画原稿はサイズも大きく、特に漫画原稿はページ数も多いためクリスタの動作環境を満たしていてもペンに僅かな遅延が発生してササッと描けません。

趣味では無く仕事で使うならクリエイター向けのパソコンを選ぶようにしましょう。遅延が無くなって、アナログのようにササッと素早くペンを動かしてもちゃんと描写が付いてきてくれるので、描き心地がアナログに近くなりますよ。

時短ツールを使いこなせていない

やはり使いはじめて慣れないうちはツールを覚え切れませんよね。時短ツールを使いこなしていないと、デジタルの良さも半減してしまいます。

例えばペン入れ1つとっても、「消しゴム」をキー1つで切り替えられるようにしていたり、「一つ戻る」「一つ進む」がワンタッチでできるようになっているだけでも違います。

キャンパスの「回転」や「拡大、縮小」、「左右反転」をワンタッチでできるようにするとアナログのように、人によってはアナログ以上にサクサク描けるようになりますよ。最初の段階で是非身に付けてしまいましょう。

ペン入れまではアナログでするという選択技もアリ

どうしても慣れないというのであれば、ペン入れまではアナログでしてしまうのも手です。

スキャナーの性能は印刷所のスキャナーと比べてどうしても劣るので細かい線が出辛い等のデメリットはありますが、デジタルのペンをアナログの頃に近くなるように練習するよりもハードルはグッと下がります。

仕上げをデジタルにして原稿をデータ化すれば、自宅に居ながらにして編集の人
に原稿を渡す事が可能なので緊急時にも便利ですよ。

まとめ

漫画原稿をデジタルに切り替えて逆に時間がかかるようになってしまったという人は、アナログのペン入れが早すぎたという理由だけでなく、必ずいくつかの原因があります。

ひとつひとつの原因を潰していきましょう。

それでも慣れなかったり、そんな時間無い!というのであれば、ペン入れまでアナログで仕上げをデジタルという選択技もアリ。

これからデジタル化の波がこれまで以上に急激に押し寄せてくる事が予想されます。今からでもコツコツとデジタルに慣れていくと良いですよ。

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