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イラストが上達しない人の3つの特徴と上達の早い練習方法

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なかなかイラストが上達しない……。そんな悩みを抱えている人は、3つの特徴のどれかに当てはまっている可能性大です。当てはまってもご安心を。上達を妨げる特徴に気付きさえすれば、逆に言えばこの特徴を克服してしまえば上達のスピードがグッと早くなるという事です。これはチェックするっきゃない!それぞれのタイプ別上達の早い練習方法も一緒にご紹介しますよ。

【イラストが上達しない人の特徴1】輪郭線をなぞろうとする

まず1つめの特徴は、輪郭線だけを見てなぞろうとする『輪郭線なぞり』タイプです。

好きなイラストの模写でも、物を観察しながら描く時でも、輪郭線ばかりに気がいってしまい対象を立体で捉える事をついつい忘れがちになってしまうこのタイプ。

描きながら「ここの線は真っ直ぐで、その先で少しカーブしながら下がっていって、ここで一気に横に曲がって……」なんて考えながら描いている人は要注意です。

輪郭線なぞりタイプはなぜ上達しないのか?

絵が上手い人ほど“その中身を想像しながら描く”と言われています。人体を描くなら、表面に出ているデコボコや輪郭線だけでなく、そこから「筋肉はこう膨らんで、骨はこうなってるからこのポーズではここが出っ張って……」と想像しながら描くわけです。

背景や小物を描く時も、対象の構造を理解しようと脳を働からせながら描きます。例えば椅子を描くなら、「足のココで支えてバランスを取っていて、クッションはここからここにかけてくっついてて、背もたれは背中に負担をかけないようにちょっと後ろに傾きつつ丸みがあって……」という風に“どういう構造なのか?”“なぜこんな形をしているのか?”無意識に考えながら描いています。

だから不自然になりませんし、立体感が出てくるわけです。

『輪郭線なぞり』タイプの人が早く上達する練習方法はコレ!

『輪郭線なぞり』タイプの人の上達の近道は、構造を勉強した後にアタリの取り方を練習することです。

人体を上手く描きたいなら、まずは美術解剖学の本で筋肉や骨の動きの仕組みを勉強します。それからアタリで骨と筋肉をザックリと描いてから体のラインを肉付けしていく描き方を覚えましょう。

あとは、何かを模写する時に必ず対象の筋肉と骨を想像してアタリで描き入れ、服の下の体のラインも想像しながらアタリに描き足す、までをアタリの時に必ずやるクセをつけます。

アタリの取り方を解説したメイキングもあるので、それらも参考にすると良いですよ。

【イラストが上達しない人の特徴2】完璧主義すぎて完成させられない

2つめは意外や意外、『完璧主義すぎ』タイプです。

作品を最後まで完成させられない……。そんな悩みを抱えている人は、実は怠け者よりも完璧主義すぎる人に多いんです。

途中で「なんか違う!下手に見える!」「もっと良い作品が作れる気がする」と感じて未完成のまま次に行ってしまったり、賞やコンペを前に落選が恐くて何度も何度もやり直しているうちに締め切りが来て応募せず終わったり……。

作品が未完成にりやすいだけでなく、例えば「毎日5分絵を描く」と決めたとして、1日でもそれが守れなかった日があると罪悪感が強まって辞めてしまうという傾向が完璧主義すぎる人は強いです。

ほどよい完璧主義は良作を生みますが、あまりにも完璧主義すぎると足踏み状態になってしまうんですね。

『完璧主義すぎ』タイプの人はなぜ上達しないのか?

完璧主義すぎてしまうと、それ故に描いている途中で「何か違う!」と感じたり、「評価がイマイチだったらどうしよう……」という不安から「もっと上手く描けないとダメだ!」という強迫観念に襲われてしまい、未完成のまま次の作品へ……というループに陥りがちです。

ですが、作品は完成させてはじめて全体のバランスや配色、画面の雰囲気等、様々な事を反省する事ができます。つまり、未完成のまま反省点を振り返るより、完成してから振り返る方が成長速度は圧倒的に早くなります。

そして何より問題なのが、自分で決めた計画が1日でも崩れると罪悪感ですぐに諦めてしまう事。「毎日5分絵を描く」「1日1回模写をする」なんてせっかく素敵な目標を立てても、1日でも破ってしまうと「なんて自分はダメなんだ……」「また守れなかった……」と罪悪感でいっぱいになり止めてしまう事が、『完璧主義すぎ』タイプには多いんです。

イラストを毎日描けば早く上達しますが、1日描けない日があったからって諦めてしまっては、せっかく上手くなりそうなものもストップしていまいとてももったいないですよね。

『完璧主義すぎ』タイプの人が早く上達する練習方法はコレ!

このタイプの人が目指すべきポイントの1つは、「たくさん作品を完成させる事」。その為にはまず、最も失敗しない練習方法、“トレース”から入りましょう。

気に入ったイラストなり写真を、アナログなら下から透かして、トレース台が無ければトレーシングペーパーでもOK。デジタルなら画像を貼り付けて不透明度を薄くし、新規レイヤーで上からなぞります。

ポイントは、ただなぞるだけでなく自分なりにアタリを入れてからなぞる事。骨や筋肉、服の下の体のライン等、中身を想像してアタリを描き込んでからなぞります。そして、アタリを取ったりなぞって気付いた事をメモするなりして覚えておきましょう。

そして目指すべきもう1つのポイントは、継続させる事。そのために、もしも自分で決めた目標をこなせそうに無い日があっても大丈夫なように、難易度をグッと下げた代理のルールを立てておく事です。

例えば「毎日5分絵を描く」と決めたのに、1日中忙しかったりどうしても疲れて机に迎えなそうな時は「ペンを握って円や平行線を描くだけてOK」とか、「寝転びながらスマホのお絵描きアプリに指で軽くチビキャラを描くだけでOK」とか。線を描く事に手を慣れさせるだでも十分効果がありますから、たったこれだけの練習でも全然OKです。

目標をこなせた日はカレンダーにチェックを入れたりご褒美シールを貼るようにするとさらにモチベーションアップ。たったこれだけで『完璧主義すぎ』タイプの人もグッと継続しやすくなりますよ。

【イラストが上達しない人の特徴3】全体ではなく手元だけを見て描く

わりと多いのが、ペン先にばかり目が行って全体を見ながら描いていない『手元ガン見』タイプです。

緊張して描いているとついついペン先から紡がれる線にばかり気がいってしまいますが、イラストが上手い人と苦手な人の視線の動きをコンピューターで計測すると、上手い人は「全体を見ながら描く→ペン先を見ながら描く→全体を見ながら描く」と繰り返しているのに対し、イラストの苦手な人はずっとペン先ばかり見て描く事がわかっています。

なぜ手元ばかり見ていると上手く描けないのでしょうか?そしてその克服方とは?

『手元ガン見』タイプの人はなぜ上達しないのか?

このタイプの人がイラストを描くと、大抵「パーツごとにじっくり手元を見ながら描く→パーツが完成して全体を見るとバランスがおかしくなっている→消して描き直す」のループにハマりやすくなります。

パーツごとに見るとまぁまぁ良い感じに描けてるのに、全体で見るとなんかイマイチ……と感じるなら、無意識にこのループにどハマりしている可能性大。

イラストは全体のバランスがとても大切です。全体を俯瞰して見ながら手を動かせるようになれたら、それだけでもグッとレベルアップしますよ。

『手元ガン見』タイプの人が早く上達する練習方法はコレ!

このタイプの人は、全体を見ながら手を動かせるようになれたら上達が早いです。なので、視野を広く持ちながらペンを動かす事に慣れる訓練をしましょう。

方法は簡単で、15cm程の平行線をたくさん描くのですが、その時にペン先を見ずに「この位置まで線を引きたい」という所を見つめながらその位置までペンを動かして線を引いていきます。あくまで見るのは線のスタート地点ではなくゴール地点です。

慣れてきたら、この描き方をイラストや写真をトレースしながらやってみましょう。

もっと慣れたらオリジナルのイラストを描く時にも同じように描いてみます。コツは、どんなイラストを描きたいのかを鮮明に想像して、それを頭の中で紙の上に映し出し、その上をなぞるように描く事です。俯瞰して見ながら描くためには、イラストの全体像を鮮明にしておく事がとても大切です。

たったこれだけで、描く時の視野がグッと広くなり、「全体を見ながら描く→手元を見ながら描く→全体を見ながら描く」の手の動きも自然にできるようになりますよ。

まとめ

イラストがなかなか上達しない人は似たような特徴を抱えている事が多いです。その特徴に気付いて克服出来たなら、上達は格段に早いです。

タイプ別の練習方法も参考にしながら、自分の壁を克服しましょう。

上達のスピードが上がればモチベーションも上がって、イラストを描くのがもっともっと楽しくなりますよ。焦らずコツコツ着実に、階段を登っていきましょう!

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