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燈乃しえの備忘録- 絵師ノート公式ブログ -
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デジタル化が進んで持つ人も少なくなってきたトレース台。ですがプロの中ではデジタルでもペン入れだけはアナログの人も多いです。デジタル作画で有名な漫画家の浅野いにお先生や花沢健吾先生もペン入れはアナログ。アナログ混合で描くならトレース台はやっぱり必要?今回はそんなトレース台の基本的な使い道からちょっと変わった使い道までご紹介。トレース台の必要性を再検討です!
まずはトレース台の基本的な使い道です。有名な方法なのでもうすでに知っているかもしれませんが、改めてご紹介します。
ペン入れ後の消しゴムってちょっと手間なんですよね。水色のシャープ芯で描けば消しゴムをかけずにすみますが、下描き線は完全に消えている方が仕上がりイメージがしやすいもの。
そんなときは下描きを別紙に描いてトレースしながら原稿にペン入れします。ちょっと手間ですが下描きは1枚1枚ズレないように原稿の裏にテープで固定しましょう。ただ重ねるだけだとズレるのでかえって時間がかかります。同じ方法でネームを丁寧に描いて拡大コピーしたものを下描きにしているプロもいます。
背景や小物のフリー素材や自分で撮った写真をトレースします。素材本や写真はそのままトレース出来ないので、一度普通のコピー用紙に白黒コピーしたものを原稿の下にテープで固定し使用します。
応用でパースグリッドの素材をプリントしトレースしながら背景を描き込む方法もあります。複雑な三点透視や魚眼レンズ風の画面も楽々描けますよ。
これを目的にトレース台を購入する人も多いのではないでしょうか。描いたものを裏返しに透かすことで反転させてデッサンの確認をする事ができます。
裏返して透かしながらデッサンに違和感のある個所の修正線を書き込んでいき、表に返して再度透かしながら裏に書き込んだ修正線を参考に描き直していきます。プロの中には苦手な斜め右向きの顔を最初から裏に描いてしまい、トレース台で透かしながら表にペン入れをする人も居ます。
水彩やコピックで着色をするときに主線の色や下描きの鉛筆線が広がって汚くなってしまった、なんて経験ありませんか?アナログカラーでは下描きを別紙に描いてトレースしながらペン入れをすると綺麗に仕上がります。
主線に広がりやすいインクを使いたい時も着色後にトレースしながらペン入れすると綺麗です。あえて主線を描かないイラストもこの方法の応用で描けます。
あまり知られていない、トレース台のちょっと変わった使い方です。覚えておくととっても便利ですよ。
黒の面積の多い濃いトーンを貼るときはトレース台が欠かせません。どんなに濃いトーンでもトレース台で下から透かせば主線がハッキリと浮かび上がってくれるんですから。
濃いトーンは普通に貼ると主線が見え辛くて失敗しやすいうえ、その失敗がかなり目立ってしまうトーンでもあります。でもトレース台で透かして主線をしっかり確認すれば失敗知らず。黒一色のベタトーンだってこの方法で楽々貼れます。
あまり知られていませんが、広い面積のベタはベタトーンを使うと時短になるし綺麗に仕上がるのでとってもおすすめです。ベタトーンはデリータが販売しています(SE-741)
使うのにトレース台は必須ですが、ただのベタだけでなく削りを駆使して夜景を作ったりベタフラッシュを素早くつくれたりとなかなか使えるアイテムです。
原稿の上にインクやコーヒーを盛大にこぼしてしまった!でもこんな広い面積に修正液をかけたら原稿が汚くなってしまう!そんなときに使える技がこれです。
失敗した原稿の下に新しい原稿を重ねて、カッターで下の原稿用紙も一緒に切れ込みが入るよう強めの力でカットします。トレース台が傷つかないように透明~半透明のカッティングマットを敷くのも忘れずに。
カットしたら、下の原稿用紙を切れ込みにそって丁寧にカットします。あとはパズルのピースをはめるように、失敗した原稿用紙のカットした穴に新しい原稿用紙をはめ込んで裏からテープで留めれば準備完了。
カットの溝が気になるようならミスノン等の修正液で埋めて溝を無くします。最後に失敗した原稿用紙の切り落とした部分を下に敷いてトレースしながら描き直していきましょう。修正液で塗りつぶすよりも、驚くほど綺麗に修正できますよ。
トレース台は完全にフルデジタルで作画するなら必要が無いかもしれません。ですが少しでもアナログで作業をするなら、こうして使い道を振り返ってみるとやはりあるのと無いのとでは大違いですね。プロでも味を出すためにデジタルとアナログ混合で作業をしている人は多いです。トレース台は導入の価値大ありですよ。
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