クリエイター向けPCレビュー

ホーム / クリエイター向けPC / クリエイター向けPCレビュー / ドスパラ raytrek-V HB 評価・レビュー

ドスパラ raytrek-V HB 評価・レビュー

投稿日: 更新日:

NVIDIA GeForceのグラフィックボードはGTXシリーズが有名です。でもさらに安いGTシリーズも存在します。ゲーム向けのジャンルではなく、グラフィック性能を少し補助したいくらいの性能です。

そんなGeForce GT1030を搭載したクリエイター向けデスクトップがドスパラにあります。どうやらGeForce搭載のクリエイター向けPCでは最安値のようです。クリエイター用途にきちんと使えるのか実際に調べてみました。

raytrek-V HBのスペック

OS CPU
Windows 10 64bit Core i5-8500(6コア/定格3.00GHz/最大4.10GHz)
メモリ グラフィックボード
8GB(PC4-21300) GeForce GT1030 2GB
ストレージ チップセット
320GB SSD + 1TB HDD INTEL H310 チップセット
光学ドライブ 電源
DVDスーパーマルチドライブ DELTA 450W 静音電源 (80PLUS BRONZE / GPS-450EB E)

raytrek-V HBの価格を見る

冒頭で書いたようにGeForce搭載では一番安いクリエイター向けデスクトップです。税込みでも10万円以下に収まるため、格安のデスクトップが欲しい人にはとてもおすすめです。

CPUは人気のCore i5-8500、定番のメモリ8GB、ストレージはしっかりSSD + HDDと、パーツ構成に隙がありません。もちろん重い作業をするならCore i7にメモリ16GBなのでしょうけど、気軽なお絵かき程度ならこのスペックで大丈夫です。

ストレージはキャンペーン中で320GB SSDにアップグレードされていました。本来はおそらく120GBや250GB SSDだと思います。SSDはある程度容量の多いものを選ぶべきなのでせめて250GB以上は欲しいです。

raytrek-V HBの外観と内部

raytrek-V HBのケース

Diginnos EM041 ミニタワーケースです。raytrek専用のミドルタワーケースよりも小型です。机の上に置いても圧迫感がありません。



前面と左側から空気を吸い込みます。ケースファンは増やせませんが、パーツの温度を見るとこのままでまったく問題ありません。



右側には何もありません。

raytrek-V HBのインターフェイス、接続端子

前面にはUSB3.0端子が2個、マイク入力、ヘッドホン出力、リセットボタン、電源ボタンがあります。一番上にはDVDスーパーマルチドライブが設置されています。



後ろ側にはマザーボードとグラフィックボードの接続端子があります。マザーボードのはPS2端子が2個、USB2.0端子が2個、USB3.0端子が2個、LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力です。

GeForce GT1030はDVIとHDMIです。3画面出力をしたいならもっと上位のグラフィックボードを選びましょう。

raytrek-V HBの内部

GT1030はとても小型です。メモリは4GB x 2になっていて、8GB x 1よりも高速です。

raytrek-V HBの性能を評価

raytrek-V HBのエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

エンコード速度をテスト

フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。

auo [info]: x264guiEx 2.52 / Windows 10 x64 (16299) / Intel Core i5-8500 @ 3.00GHz [TB: 3.99GHz] (6C/6T)
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o

encoded 17020 frames, 53.84 fps, 6625.59 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 17.63% / x264: 78.61%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 5分16.2秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 5分24.8秒

総エンコード時間は5分24秒でした。6コア6スレッドならこんなものでしょう。6コア12スレッドのCore i7-8700なら4分前後で完了します。エンコードを高速にしたいならスレッド数の多いCPUを選んだほうがいいです。

Photoshopの快適性をテスト

Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。

Photoshopの起動速度

検証内容 秒数
起動速度 4.84秒

5秒以内で起動しました。「まぁまぁ高速」って感じです。ハイスペックPCなら3秒ちょっとです。

写真を50枚読み込み

検証内容 秒数
読み込み速度 32.03秒

6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。CPUとメモリの影響で、後半になるにつれて読み込みが遅くなっていきました。メモリ16GBならもっと速くなるはずです。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 1.64秒
保存速度 1.28秒
焦点領域の反映速度 2.14秒

うんうん、軽いファイルなら楽勝ですね。気軽にお絵かきしたくてPCを探しているなら、安いraytrek-V HBがおすすめです。SAIならもっとサクサク動きますよ。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 3.60秒
保存速度 3.07秒
焦点領域の反映速度 4.10秒

まだまだ余裕です。5秒以内に終わるならそれほどストレスは感じません。raytrek-V HBは製品名からすると動画編集用PCっぽいんですけど、私はイラスト制作向けだと思います。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 10.01秒
保存速度 9.06秒
焦点領域の反映速度 17.28秒

予想通り重いファイルを扱うにはスペックが足りません。保存の度に10秒待たさせるのはさすがにイライラします。もっと高性能なCPUにメモリ16GBを搭載したパソコンなら半分の時間で完了します。

ストレージの速度

raytrek-V HBには320GB SSDと1TB HDDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。

SSDのシーケンシャルリードは521.3MB/s、シーケンシャルライトは467.4MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは200.6MB/s、シーケンシャルライトは195.8MB/sです。

連続アクセスはどちらも平均的な速度が出ています。

LuxMark(OpenCL)

LuxMarkは3278でした。CPU内蔵グラフィックスより1.5倍くらい高いスコアです。でもGTX1050の半分以下なので決して高性能ではありません。

FurMark(OpenGL)

OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは1136でした。3D用というよりも動画再生を始めとした2Dの補助に適していると思います。

3DMARK FireStrike(DirectX11)

3DMARK FireStrikeは3357でした。やはりCPUよりやや高いスコアです。GTX1060搭載デスクトップなら10000を越えます。ゲーミングPCとして使うのはかなり厳しいです。2Dゲームか非常に軽い3Dゲームなら普通にプレイできます。

結論としてお絵かき入門用のPCにぴったりです。10万円で購入できるのは嬉しいですよね。最初はこのクラスのPCでお絵かきを練習して、もっと高解像度で本格的なイラストを描きたくなったら、ハイスペックPCを買えばいいと思います。

raytrek-V HBの価格を見る

絵師ノートとは

こんにちは!燈乃しえ(とうのしえ)です!絵師ノートはイラスト制作に役立つ情報をお届けします。イラスト制作の基礎知識、上達の方法、顔や背景の描き方など実践的な記事を取り揃えています。また、イラスト制作におすすめのクリエイター向けPCや周辺機器も紹介しています。