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ドスパラ raytrek-V Adobe CC推奨モデル MX 評価・レビュー

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世の中には「推奨パソコン」というものがあります。特定の企業とBTOメーカーが協力し、「このスペックなら大丈夫」と認定したパソコンです。ゲーム推奨PCは最たる例でしょう。このパソコンを買えばこのゲームが快適に遊べる、と保証されているのはパソコン初心者には嬉しいです。

そしてクリエイター向けPCにも推奨パソコンが存在します。なんとドスパラにはAdobe CC推奨モデルが用意されています。フォトショップ、イラストレーター、プレミアと世界的に人気のクリエイター向けソフトを排出しているAdobeが認定したパソコンはどのような性能なのか検証してみます。

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXのスペック

OS CPU
Windows 10 Home 64bit Core i7-6700(4コア/3.40GHz)
メモリ グラフィックボード
16GB(PC4-19200) NVIDIA GeForce GTX1050Ti 4GB
ストレージ チップセット
250GB SSD + 1TB HDD インテル H110 チップセット
光学ドライブ 電源ユニット
DVDスーパーマルチドライブ 400W 静音電源 (AcBel 製 / 80PLUS BRONZE)

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本来のスペックはメモリが8GB、ストレージが1TB HDDです。キャンペーン中でメモリ16GB、250GB SSD + 1TB HDDになっていました。今パソコンを買うならSSD非搭載なんてありえないですし、クリエイター用途ならメモリ16GBあったほうがいいと思っているので、これはラッキーでした。

特にAdobe CCのソフトは高機能な分、他のソフトよりもやや重い傾向があります。Photoshop CCとSAIを使ったことがある人はよくわかるはずです。これまで色々検証した結果、Photoshopを快適に動かすためにはCPU、メモリ、SSDが重要だと判明しました。そういう意味ではキャンペーン中のパーツ構成はAdobe CC推奨なのをとても納得できます。

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXの外観

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXのケース

正面と上部、背面の写真です。ドスパラではミニタワーに該当するPCケースです。「raytrek LC」等に比べると一回り小さいサイズです。高さは36cmしかないので机の上に置いても圧迫感がありませんし、正面のボタンやDVDスーパーマルチドライブにも簡単に手が届きます。

上部は塞がっているので物を置くのに便利だったりします。



左側です。そこそこ大きな吸気口があります。ケースファンの設置はできません。



右側です。こちらは何もありません。

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXのインターフェイス、接続端子

正面にはUSB3.0端子が2つ、マイク入力、ヘッドホン出力、リセットボタン、電源ボタンがあります。ミニタワーとしては標準的です。USB2.0端子よりも高速なUSB3.0端子で揃っているのは高ポイントです。



左の写真がマザーボードのバックパネル、右側の写真がGeForce GTX1050Tiの映像出力端子です。

バックパネルにはPS2端子が2つ、USB3.0端子が2つ、USB2.0端子が2つ、LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力があります。

GeForce GTX1050Tiの映像出力端子はDVI-D、HDMI、DisplayPortです。GTX1060に比べるとDisplayPortが2つ少ないですね。

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXの内部

ミニタワーなので内部もコンパクトにまとまっています。



メモリスロットは意外と拡張性が高く、2つも空いています。H110チップセットなので8GB x 4 の32GBまで増やせます。



GTX1050Tiはコンパクトなだけでなく温度がとても低いです。このようなミニタワーにぴったりなグラフィックボードです。Adobe CCのソフトではグラフィック性能が求められることはそこまで多くないので、GTX1050Tiで十分だという判断なのでしょう。

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXの性能を評価

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXのPhotoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

Photoshopの快適性をテスト

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXをお絵かき用パソコンとして見た場合、Photoshopがどれくらい快適に動くかが重要です。他のイラストソフトを使うにしてもPhotoshopが動けば大丈夫です。

そこでいくつかのキャンバスサイズ、レイヤー数のファイルを用意して快適性を比較してみました。速度はそれぞれ3回計測した平均値です。

Photoshopの起動速度

検証内容 秒数
起動速度 3.74秒

PhotoshopをSSDにインストールし、起動速度を計測しました。やっぱりSSDは必須です。特に250GB以上は欲しいです。120GBだと容量が少ないというのもありますが、速度が遅い傾向があるからです。もしもHDDしかないパソコンだったら確実に起動するまで5秒以上待たされますよ。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 1.32秒
保存速度 1.28秒
焦点領域の反映速度 1.84秒

デジタルでは落書きくらいのサイズでしょうか。もうサックサクですね。計測が困難なくらい一瞬で完了しました。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 2.54秒
保存速度 3.41秒
焦点領域の反映速度 3.96秒

やや大きめのサイズです。5秒以内ならまったくストレスなくお絵描きできます。この辺りからメモリ容量の効果が顕著に現れてきます。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 6.37秒
保存速度 9.03秒
焦点領域の反映速度 4.53秒

「本気絵」あるいは「仕事絵」くらいのサイズでしょうか。巨大なイラストでもそれぞれ10秒以内に収まっています。メモリ8GBだったらこうはいきません。

8192px × 8192px、レイヤー数239、解像度350dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 12.53秒
保存速度 24.67秒
焦点領域の反映速度 3.67秒

確かSAIで開けるキャンバスサイズの限界がこれくらいだったと思います。メモリ16GBでは足りない領域です。でも普通はもっと小さいサイズでお絵描きするでしょうから問題ありません。もしも印刷前提でイラスト制作するならメモリ64GBのハイスペックPCがおすすめです。

ストレージの速度

raytrek-V Adobe CC推奨モデル MXには250GB SSDと1TB HDDが搭載されています。CrystalDiskMarkでそれぞれの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。

SSDのシーケンシャルリード(連続読み込み速度)は561.0MB/s、シーケンシャルライト(連続書き込み速度)は470.8MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは211.6MB/s、シーケンシャルライトは206.6MB/sです。

パソコンのサクサク感に重要な連続読み込み、ランダム読み込みが非常に高速です。

LuxMark(OpenCL)

LuxMarkのスコアは7196でした。CPUのグラフィック性能に比べると3倍くらいです。

CINEBENCH R15(OpenGL)

CINEBENCHはOpenGLが142.92fps、CPUが851cbです。GTX1060 + Core i7-7700と大差ないスコアです。CINEBENCH R15の限界なのでしょう。

3DMARK FireStrike

3DMARK FireStrikeは6305でした。Adobe CCとは直接関係ありませんが、ゲーミングPCとしても使えます。数年前から続いているようなオンラインゲームならなんでも遊べる性能です。

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こんにちは!燈乃しえ(とうのしえ)です!絵師ノートはイラスト制作に役立つ情報をお届けします。イラスト制作の基礎知識、上達の方法、顔や背景の描き方など実践的な記事を取り揃えています。また、イラスト制作におすすめのクリエイター向けPCや周辺機器も紹介しています。