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ドスパラ raytrek LC-X P2 評価・レビュー

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現在のCore i7は6コア・12スレッドが主流です。しかし8コア・16スレッド以上のCPUも存在します。マルチスレッドの処理能力が向上し、エンコード等で威力を発揮してくれます。

そんな8コア・16スレッドのCore i7-7820Xを搭載したクリエイター向けPCがドスパラで販売されています。CPU以外も相当なハイスペックに仕上がっているので、どんな用途におすすめかを検証しました。

raytrek LC-X P2のスペック

OS CPU
Windows 10 Pro 64bit Core i7-7820X(8コア/定格3.60GHz/最大4.30GHz)
メモリ グラフィックボード
32GB(PC4-21300) Quadro P2000 5GB
ストレージ チップセット
500GB SSD + 2TB HDD INTEL X299 チップセット
光学ドライブ 電源
DVDスーパーマルチドライブ Enhance 800W 静音電源 (80PLUS GOLD / EPS-1780GA1)

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Core i7-7820Xは第7世代のため第八世代よりもひとつ古いCPUです。しかし8コア以上のCPUとしては今も主流で、多くのBTOメーカーが取り扱っています。やはり動画編集を想定しているのかメモリは32GBとたっぷりです。32GBあればほとんどの用途で困ることはありません。

ただグラフィックボードはGeForceではなくQuadroが採用されています。Quadro P2000なら多くのゲームを遊ぶことができるのですが、ゲーミングPCとして買うならGeForce GTXシリーズを選ぶべきです。コスパに大きな差があるからです。

Quadro P2000が活躍するのはCADのようにQuadroを推奨している3Dモデリング、色の出力が重要なイラスト制作、写真編集などです。これらの用途に該当する「プロ」におすすめしたいです。

raytrek LC-X P2の外観と内部

raytrek LC-X P2のケース

上からの写真がピンぼけしちゃっててごめんなさい。高さは44cmあります。私なら床に置きます。



前面と左側から吸気し、上部と後ろ側に排気します。合計4つのケースファンを追加できるのですが、パーツの温度はそこまで高くならなかったのでこのままで大丈夫です。



右側の小さなメッシュはグラフィックボードを裏側から冷やす役割です。

raytrek LC-X P2のインターフェイス、接続端子

前面にはUSB3.0端子が2個、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。一番上にはDVDスーパーマルチドライブが設置されています。



後ろ側にはマザーボードとグラフィックボードの接続端子があります。マザーボードのはUSB3.1端子、USB3.1 Type-C端子、USB3.0端子が4個、USB2.0端子が2個、有線LANポート、USB BIOS Flashback、SPFif OUT、REAR、C/SUB、マイク入力、ライン出力、ライン入力です。

Quadro P2000はDisplayPortが4個です。

raytrek LC-X P2の内部

マザーボードはPRIME X299-Aで、メモリスロットは8個もあります。最大128GBまで増設できます。

raytrek LC-X P2の性能を評価

raytrek LC-X P2のエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

エンコード速度をテスト

フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。

auo [info]: x264guiEx 2.52 / Windows 10 x64 (15063) / Intel Core i7-7820X @ 3.60GHz [TB: 3.99GHz] (8C/16T)
auo [info]: converting YUY2 -> nv12p, using AVX AVX2
auo [info]: x264 version: 0.152.2851 ba24899 –bit-depth=8 –chroma-format=all
auo [info]: x264 options…
–crf 23 –frames 17020 –input-res 1920×1080 –input-csp nv12 –fps 60/1 -o

encoded 17020 frames, 90.44 fps, 6763.13 kb/s
auo [info]: CPU使用率: Aviutl: 16.37% / x264: 80.34%
auo [info]: x264エンコード時間 : 0時間 3分 8.4秒
auo [info]: qaac (v2.64) で音声エンコードを行います。 ABR (AAC) ビットレート指定, 128kbps
auo [info]: L-SMASH muxer (r1453) でmuxを行います。映像: on, 音声: on, tc:off, chap:off, 拡張モード:なし
auo [info]: 総エンコード時間 : 0時間 3分14.9秒

総エンコード時間は3分14秒でした。これは爆速ですよ!Core i7-8700でも4分前後、Core i5-8500なら5分以上かかります。エンコードを高速にしたいならraytrek LC-X P2は良い選択肢です。

Photoshopの快適性をテスト

Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。

Photoshopの起動速度

検証内容 秒数
起動速度 3.62秒

3秒台で起動するのは本当に速いです。Photoshopはスレッド数が多いほうがサクサク動くのかもしれません。あるいはメモリ32GBが効いているのでしょう。

写真を50枚読み込み

検証内容 秒数
読み込み速度 25.68秒

6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。今までレビューしたパソコンのなかでも最上位に位置する速さです。写真編集を快適にこなしたい方におすすめです。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 1.29秒
保存速度 1.27秒
焦点領域の反映速度 1.80秒

文句なしのサクサク感でした。小さいファイルでもしっかりスペック差が出るのは面白いです。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 2.87秒
保存速度 3.23秒
焦点領域の反映速度 3.53秒

まだまだ余裕です。低スペックパソコンだとこの時点で5秒を越えます。3秒程度ならまったくストレスを感じません。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

検証内容 秒数
読み込み速度 6.03秒
保存速度 7.52秒
焦点領域の反映速度 4.57秒

レイヤー数が多くなると時間がかかります。1レイヤーの写真なら一瞬です。RAW現像に最適なのではないでしょうか。Quadroのおかげで狙い通りの色合いで出力できます。

ストレージの速度

raytrek LC-X P2には500GB SSDと2TB HDDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。

SSDのシーケンシャルリードは562.5MB/s、シーケンシャルライトは519.8MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは190.4MB/s、シーケンシャルライトは175.8MB/sです。とても良質なSSDが使われています。

LuxMark(OpenCL)

LuxMarkは9182でした。GeForce GTX1050Tiより約10%高い数値です。

FurMark(OpenGL)

OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは3048でした。よほど精密なCAD以外ならQuadro P2000で問題ありません。

3DMARK FireStrike(DirectX11)

3DMARK FireStrikeは8522でした。意外かもしれませんがQuadro P2000でも多くのゲームを楽しめます。スコアを比較するとGTX1050TiとGTX1060の中間です。そこまで重くない3Dゲームなら60fps以上をキープできます。

このように検証してみた結果、色々な用途に使えるクリエイター向けPCだとわかりました。30万円を越えてしまうものの、プロなら快適性に納得できるはずなのでおすすめです。

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