クリエイター向けPCレビュー
Quadro P2000搭載!ドスパラ raytrek LC P2 評価・レビュー
投稿日: 更新日:
少し前にQuadro P5000を搭載した「raytrek LC P5」をレビューしました。誰もが欲しくなるハイエンドな性能ですが、気軽に買えるような価格ではありません。
そこで代わりにおすすめしたいのが「raytrek LC P2」です。20万円以内で買えますし、ドスパラのQuadro搭載デスクトップで2位になっているほど人気です。
raytrek LC P2のスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 Home 64bit | Core i7-7700(4コア/定格3.60GHz/最大4.20GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
16GB(PC4-19200) | NVIDIA Quadro P2000 5GB |
ストレージ | チップセット |
250GB SSD + 2TB HDD | インテル H270 チップセット |
光学ドライブ | 電源ユニット |
DVDスーパーマルチドライブ | DELTA 500W 静音電源(80PLUS BRONZE / GPS-500EB D) |
クリエイター向けPCとして本当にちょうどいいスペックです。Core i7-7700は一番人気のCPUです。メモリは16GBあれば困りません。ストレージは初期構成だと2TB HDDだけですが、レビューした時は250GB SSDが無料プレゼントされていました。もしもなかったらSSDを追加しましょう。
肝心のグラフィックボードはQuadro P2000です。お絵描き、動画編集、写真編集、CAD等、クリエイターらしい用途ならなんでも対応できます。また、「Quadroでゲームは無理」なんてのは昔の話です。P2000はPascalなのでDirectXの性能も高く、多くのオンラインゲームをサクサク動かせる性能を持っています。
だからほとんど完璧です。私がクリエイター向けPCを買うならこれを選びたくなるくらいおすすめです。もう少し予算が余っているならストレージ容量を増やしましょう。500GB SSD + 3TB HDDが理想です。
raytrek LC P2の外観
raytrek LC P2のケース
LD ブラック(ATX)というPCケースです。raytrekのロゴが入っているデスクトップは大体このPCケースだと思います。前面以外はガレリアのケースとほとんど一緒です。高さは44cmあります。
初期構成では前面と背面にケースファンが搭載されています。カスタマイズで最大4つのケースファンを追加できます。パーツの温度を計測したところ高温にはなっていなかったのでそのままで大丈夫です。ただ、CPUが一番高い温度になっていたため、CPUに近い位置に1つケースファンを追加するのもいいと思います。
右側は特に何もありません。
raytrek LC P5のインターフェイス、接続端子
前面にはUSB3.0端子が2個、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。一番上にDVDスーパーマルチドライブが搭載されています。ブルーレイで映画やアニメを見る人は、カスタマイズでBDドライブに変更しましょう。
左の写真がマザーボードのバックパネル、右側の写真がQuadro P2000の映像出力端子です。
バックパネルにはPS2端子が2つ、USB3.0端子が4つ、USB2.0端子が2つ、LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力があります。
Quadro P2000の映像出力端子はDisplayPort x4です。P5000にはHDMIとDVD-D端子がありましたけど、P2000にはありません。Quadroって大抵DVI端子がないような気がします。DVIケーブルしか持っていなくても安心してください。DVIからDisplayPortへの変換アダプタが同梱されていました。
raytrek LC P2の内部
表配線ですがすっきりしています。ストレージを追加・交換するためには左側ではなく右側を開けなければなりません。
Quadro P2000はとても薄型・コンパクトです。負荷をかけても温度は66℃までしか上がりませんでした。
raytrek LC P2の性能を評価
raytrek LC P2のPhotoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。
Photoshopの快適性をテスト
Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 4.08秒 |
PhotoshopをSSDにインストールし、起動速度を計測しました。Photoshopのほとんどの動作はCPU、メモリ、ストレージの性能に影響されます。どれもしっかりした性能なら5秒以内に起動できます。
写真を50枚読み込み
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 27.0秒 |
6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。ファイル形式はjpg、容量は1つ6MBくらいです。ここはストレージの速度が重要だと思います。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.22秒 |
保存速度 | 1.32秒 |
焦点領域の反映速度 | 1.66秒 |
どれも素晴らしく高速です。これくらいのサイズでしかお絵描きしないならもっと低いスペックで大丈夫なくらいです。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.54秒 |
保存速度 | 4.29秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.34秒 |
そこそこ大きいキャンパスサイズです。それでもまだまだサクサクです。CPUが低性能だったりメモリが少なかったりすると確実に5秒以上かかります。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 6.34秒 |
保存速度 | 8.92秒 |
焦点領域の反映速度 | 4.30秒 |
印刷したり仕事で納品したりするためにイラストを描くとこれくらいのサイズになります。5秒以上かかっていますが、実は相当早いです。むしろ10秒以内に収まっていることが凄いです。「焦点領域の反映速度」が5秒以内なのはQuadro P2000のおかげです。Quadro P2000はコスパ抜群だと確信しました。
8192px × 8192px、レイヤー数239、解像度350dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 12.20秒 |
保存速度 | 22.14秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.33秒 |
これ以上大きいサイズを扱うことはまずないでしょう。読み込みと保存速度をこれより早くするためには、CPUをもっと高性能なCore-Xシリーズにしたり、メモリを32GB以上にしたりする必要があります。
ストレージの速度
raytrek LC P2には250GB SSDと2TB HDDが搭載されていました。CrystalDiskMarkでそれぞれの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。
SSDのシーケンシャルリード(連続読み込み速度)は562.4MB/s、シーケンシャルライト(連続書き込み速度)は294.7MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは209.6MB/s、シーケンシャルライトは204.5MB/sです。
SSDの読み込み速度はSATA SSDとしてはこれ以上ないほど高速です。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkのスコアは9288でした。PシリーズになってOpenCLとDirectXの性能が急激に向上しました。Mシリーズに比べて数倍です。だから以前よりもPhotoshopとの相性はとても良くなったと思います(PhotoshopのフィルターはOpenCLなので)。
FurMARK(OpenGL)
今回のレビューからCINEBENCHではなくFurMARKを使用します。FurMARKは解像度1920×1080のプリセットを使用し、スコアは3023でした。比較対象としては微妙ですがGTX1070だと6000前後になるみたいです。
3DMARK FireStrike
3DMARK FireStrikeは8541でした。GTX1060には及ばないものの、GTX1050Tiよりはずっと高いスコアです。つまりほとんどのオンラインゲームを遊べる性能です。Quadroでもゲームが遊べるなんて凄いことです。
raytrek LC P2はなんでもできる万能なデスクトップだと判明しました。もちろんゲームだけするならGeForceのほうがおすすめですけど、例えば10bitカラーを使う予定があって、PCゲームもプレイしたいなら最適なパソコンです。
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