クリエイター向けPCレビュー
ドスパラ raytrek-V ZK 評価・レビュー
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NVIDIA GeForceシリーズのグラフィックボードはGTX900シリーズやGTX10シリーズのようなナンバリングが主流ですが、それとは別のTITANシリーズが存在します。
現在最新なのがTITAN Xで、ゲーム用というよりかはクリエイター向けのグラフィックボードです。raytrek-V ZKにはそのTITAN Xが搭載されています。どういう用途におすすめなのか検証していきます。
raytrek-V ZKのスペック
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 64bit | Core i7-6700K(4コア/4.00GHz) |
メモリ | グラフィックボード |
32GB(PC4-17000) | NVIDIA TITAN X 12GB |
ストレージ | チップセット |
525GB SSD + 3TB HDD | インテル Z170 チップセット |
光学ドライブ | 電源 |
DVDスーパーマルチドライブ | Enhance EPS-1780GA1(800W / 80PLUS GOLD) |
ドスパラの中でraytrek-V ZKは「動画編集用パソコン」や「3DCG制作用パソコン」にカテゴライズされています。しかもカテゴリの中でも最上位のモデルになっています。それもそのはずTITAN XはGTX10シリーズ最上位のGTX1080より高性能です。
またメモリが32GB搭載されているのもクリエイターPCらしさを感じさせます。以前Photoshopやその他ソフトウェアで検証した際、全てのパーツの中でメモリ容量が最重要だと判明したので、32GBは納得のメモリ容量です。
ドスパラのデスクトップにはAcbel製の電源ユニットが搭載されていることが多いです。しかしraytrek-V ZKにはAcbelよりも遥かに知名度が高くて人気のあるEnhance製です。また電源効率の優れた80PLUS GOLDですからここはカスタマイズする必要はありません。
raytrek-V ZKの外観と内部
raytrek-V ZKのケース
正面、上部、背面の写真です。PCケースはraytrek用のLDブラックです。高さは44cmなのでミドルタワーとフルタワーの中間くらいでしょうか。上部の排気口にはカスタマイズでファンを取り付けられます。
左側には2つの吸気口があります。上部と同じくファンを追加できます。
右側には小さな吸気口があります。
raytrek-V ZKのインターフェイス、接続端子
正面にはUSB3.0端子が2つ、SDカードリーダー、マイク入力、スピーカー出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。
背面にはマザーボードとTITAN Xの接続端子があります。USB2.0端子は一切なくてすべて高速なUSB3.0端子で統一されています。TITAN XはDisplayport x3、HDMI x1、DVI x1です。
raytrek-V ZKの内部
左側を開いた様子です。ストレージを追加・交換するためには右側を開けなければなりません。
CPUクーラーはサイドフローです。メモリスロットは2つ空いています。
TITAN Xは最上位だからゴツいかと思いきやGTX1070やGTX1080と同じくらいのサイズです。
拡張スロットはPCI Express x16が1つ、PCI Express x1が3つ空いています。
raytrek-V ZKの性能を評価
raytrek-V ZKは30万円以上するハイエンドデスクトップです。本当にハイエンドの性能があるのか検証しました。
Photoshopの快適性をテスト
当サイトはあくまでも絵師向けサイトなのでまずはPhotoshopがどれだけ快適に動作するのか調べました。Photoshopは最新版のCC(2017)を使いました。秒数は3回計測した平均値です。
Photoshopの起動速度
検証内容 | 秒数 |
---|---|
起動速度 | 4.14秒 |
5秒以内なのはとても高速です。SSDにインストールしたおかげです。
1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 1.37秒 |
保存速度 | 1.40秒 |
焦点領域の反映速度 | 1.62秒 |
これは今までレビューしたクリエイター向けPCのなかで最高速です。TITAN Xが高性能というのもありますが、それ以上にメモリ32GBが効いています。
3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 2.50秒 |
保存速度 | 3.95秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.20秒 |
Pixivやニコニコ静画でこれくらいのサイズはよく見ます。Photoshopのフィルターや焦点領域やOpenCLに対する性能がとても大切で、TITAN Xはまさにぴったりのグラボです。普通は5秒以上かかります。
5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 6.05秒 |
保存速度 | 8.84秒 |
焦点領域の反映速度 | 4.30秒 |
プロならデジタル絵でこれくらいのサイズを描くのは普通です。すべて10秒以内に収まっていますし、焦点領域の反映速度も高速です。お仕事用のパソコンを選ぶならSSDと大容量メモリは必須です。
8192px × 8192px、レイヤー数239、解像度350dpiの場合
検証内容 | 秒数 |
---|---|
読み込み速度 | 11.67秒 |
保存速度 | 20.11秒 |
焦点領域の反映速度 | 3.67秒 |
印刷を前提としたイラストのキャンバスサイズや解像度です。ここまで巨大になっても焦点領域はまったく重くなっていません。ここは完全にTITAI Xのおかげです。
読み込み速度と保存速度をこれ以上高速にするにはメモリを64GBにしたり、SSDをNVMeにするなどの工夫が必要です。
SSDとHDDの速度
raytrek-V ZKにはSATA3 SSDとHDDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。
SSDのシーケンシャルリードは531MB/s、シーケンシャルライトは508MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは197MB/s、シーケンシャルライトは192MB/sです。
LuxMark(OpenCL)
LuxMarkは22071でした。あまりのハイスコアに呆然としてしまいました。GTX750Tiだと4400でしたから5倍の性能です。GTX1060ですら13474です。TITAN Xの圧倒的性能がよくわかります。OpenCL系で重いソフトウェアを使うならQuadroよりもGeForceやTITAN Xがおすすめです。
CINEBENCH R15(OpenGL)
CINEBENCHはOpenGLが140.48fpsです。なんというかすべてにおいて万能な感じがあります。
3DMARK FireStrike
3DMARK FireStrikeは19100でした。GTX1080でも約16000ですから凄まじい性能です。さすがにゲーム用途のためだけにraytrek-V ZKを買うのはちょっと勿体ないですが、最新ゲームもするし動画編集や3DCG制作もしたい!なんて人には最高にぴったりなデスクトップです。
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