ドスパラ raytrek-V XH 評価・レビュー

投稿日：2018.06.19　更新日：2018.06.19

クリエイター向けPCにグラフィックボードは必要なのか不要なのか、という問題はとても難しいです。結局のところ「用途次第」という回答になってしまうのですが、3Dを扱わないのであれば安いグラフィックボードを搭載しておくのが正解でしょう。

例えば動画編集なんて最たるものです。グラフィックボードでエンコードさせることも可能ですが、画質を優先してCPUでソフトウェアエンコードさせるのが最近の流行です。そんな動画編集にぴったりなBTOパソコン「raytrek-V XH」をレビューしてみます。

raytrek-V XHのスペック

raytrek-V XHの価格を見る

実はこのraytrek-V XH、ドスパラで動画編集用パソコンとして販売されています。パーツを見てみるとCPUを人気のCore i7にしつつ、メモリはしっかり16GB、そしてグラフィックボードは格安のGTX1050Tiとバランスが取れています。

やはり動画編集にはCore i7 + メモリ16Bの組み合わせが定番です。Core i5よりもCore i7のほうがエンコード速度は高速です。予算に余裕があるならメモリ32GBしておくともっと快適になります。

グラフィックボードはなんだかんだあったほうが便利です。マルチディスプレイにしやすく、高解像度の動画再生も滑らかになるからです。そして動画編集用パソコンとしてハードウェアエンコードもできる環境にしておいたほうがいいです。

なお、本来は2TB HDDしか搭載されていません。レビューした時には240GB SSDが無料プレゼントされていました。このSSDがあるのとないのとでは快適性に大きな差が出てしまうので、必ずSSD + HDDの構成にしてください。

raytrek-V XHの外観と内部

raytrek-V XHのケース

raytrekシリーズのデスクトップでは唯一の専用PCケースです。上部にケースファンを2つ追加できるのですが、基本的にはこのままで大丈夫です。

左側から空気を吸い込みます。

ストレージを追加・交換する場合は右側を開けます。それ以外のパーツを変更する場合は左側を開けます。

raytrek-V XHのインターフェイス、接続端子

前面にはUSB3.0端子が2個、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、電源ボタン、リセットボタンがあります。

その上にはDVDスーパーマルチドライブが設置されています。8,080円(+税)でブルーレイドライブへの変更が可能です（価格は変わる可能性があります）。

後ろ側にはマザーボードとグラフィックボードの接続端子があります。マザーボードのはUSB2.0端子が2個、USB3.0端子が2個、USB3.1端子が2個、PS2端子、LANポート、マイク入力、ライン入力、ライン出力です。

raytrek-V ZTがZ370チップセットだったのに対し、raytrek-V XHはH370チップセットマザーボードなのでバックパネルの構成が変わっています。

GeForce GTX1050TiはDisplayPort、HDMI、DVI-Dです。3画面同時出力に対応しています。

raytrek-V XHの内部

電源ユニットはDELTA製、GTX1050TiはPALIT製、マザーボードはPRIME H370-A、SSDはADATA SU800、HDDはSLIVERSTONE製でした。

raytrek-V XHの性能を評価

raytrek-V XHのエンコード速度、Photoshopの快適性、ストレージ速度、3Dの性能を計測しました。

エンコード速度をテスト

フルHD 60fps 4分43秒の動画をx264guiExでフルHD 60fpsに再変換する形です。詳しい情報は以下のとおりです。

総エンコード時間は4分30秒でした。Core i7-8700なら4分以内に完了するはずなので、なにか設定ミスがあったかもしれません。少なくともCore i7-8700 + メモリ16GBのraytrek-V ZTは3分57秒で完了していました。

Photoshopの快適性をテスト

Photoshopでお絵描きや写真編集することを想定して、性能を検証しました。

Photoshopの起動速度

3秒で起動が完了するのはとてつもなく高速です。さすがCore i7-8700 + メモリ16GBです。SSDの威力もしっかり出ています。

写真を50枚読み込み

6000 x 4000pxの写真を50枚開いて、読み込みが完了するまでの速度を計測しました。読み込み速度もCPU、メモリ、SSDの性能に依存しています。性能が低いパソコンでは1分以上かかります。

1500px × 900px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

こんなにサクサク動いてくれたら幸せですよ、ホント。ソフトの動作によって成果物のクオリティも変わってくると実感しています。だから良い作品を作りたいなら高性能なパソコンを使うべきです。

3000px × 1800px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

それなりに大きなファイルを扱っても3秒程度です。クリエイター向けPCのなかでは比較的安いほうだと思うのですが、これは相当コスパが良いですね。

5000px × 3000px、レイヤー数239、解像度120dpiの場合

1年くらい前までこのファイルは10秒以上かかるのが普通でした。パソコンの進化は素晴らしいですね・・・。お絵かきだけでなく写真編集やRAW現像にもおすすめのデスクトップです。

ストレージの速度

raytrek-V XHにはSSDとHDDが搭載されています。CrystalDiskMarkというソフトでSSDとHDDの速度を計測しました。左側がSSD、右側がHDDです。

SSDのシーケンシャルリードは558.4MB/s、シーケンシャルライトは494.5MB/sです。HDDのシーケンシャルリードは175.5MB/s、シーケンシャルライトは156.7MB/sです。

SSDは十分に高速ですがHDDは妙に遅いです。

LuxMark（OpenCL）

LuxMarkは8036でした。GTX1060なら12000を越えます。OpenCLはそこまでメジャーではないのであまり気にしなくても大丈夫です。

FurMark（OpenGL）

OpenGL用ベンチマークのFurMarkのスコアは2464でした。3Dを扱うならGTX1060以上を選びたいですね。

3DMARK FireStrike（DirectX11）

3DMARK FireStrikeは7088でした。ゲーミングPCとしての性能はそこまで高くありません。そこそこ軽いPCゲームならサクサク動いてくれます。やはり動画編集やお絵かき、写真編集に向いているデスクトップだと思います。そういう用途ならコスパ抜群です。

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