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アナログでペン入れ→スキャナーで取り込むときの裏技

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デジタルで漫画を描く人が増えましたが、ペン入れだけはアナログでやるという人も多いですよね。プロの漫画家さんでもやはりアナログの味のあるタッチを好んで、アナログでペンを入れたものをスキャンして使っている人も多いです。今回はアナログでペンを入れてスキャンをする時のちょっとした裏技をご紹介します。

スキャンの基本

裏技の前に原稿をスキャンする時の基本的な設定です。

白黒ではなくグレーでスキャン

カラーかグレーか白黒か、取り込むときに色を選べるようになっています。原稿は白黒だからと白黒を選んでしまいがちですが、選ばないようにしましょう。スキャナーの機能で白黒化してしまうと、処理がかなり雑なものになって汚くなってしまいます。グレースケールで取り込んで、白黒化はCLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなどのペイントソフトでおこないましょう。

解像度は600bpi

白黒の漫画データの解像度は600bpiが基本です。スキャンのときに設定しておきましょう。

A4スキャナーでB4原稿用紙をスキャンする方法

漫画の投稿や商業用の原稿はB4が基本ですが、B4サイズのスキャナーを持っている人は少ないです。だからってアナログでペン入れする事を諦めていませんか?A4のスキャナーでもちょっとした工夫で対応可能ですよ。プロの新人漫画家さんも使ってる技を2つご紹介します。

分割してスキャン

B4で描いた原稿を2回にわけてスキャンし、パソコン上で結合する方法です。少し手間ですが解像度はそのままでスキャンできるので仕上がりは綺麗です。ズレの微調整は方向キーで行うと1pxずつ移動できるので便利ですよ。

A4の原稿用紙にペン入れして拡大

A4の原稿用紙にペン入れしたものを取り込んで拡大して使う方法です。拡大するので線が太くなってしまうため繊細な線の人には向きませんが、本誌に載ると線は潰れてしまいますし、単行本になると縮小されて違いはますます微々たるものになるので、神経質でなければ手間もかからずおすすめです。メニュー→2値化でグレーを飛ばして白黒にするときに数値を大き目にすると、線が少し細くなるのでオススメですよ。

水色で下描きをして消しゴムかけを不要にする

水色は印刷に出ないので下描きに使用すると消し込むかけが不要になるのは有名な技ですが、これはスキャンのときにも使えます。青色で下描きをすればスキャンをするとかなり薄く出力されるので、あとはトーンカーブなり2値化でいじれば下描き線は一瞬で消えますよ。

デジタルでつくった下描きを水色でプリントしペン入れ

水色で下描きの応用で、デジタルで下描きをしたものを水色にして原稿用紙に印刷すれば、その上にアナログでペン入れができます。ペン入れ後に取り込んで画像調整すれば、アナログで水色で下描きをしたのと同じように一瞬で消えます。デジタルで下描きをすると左右反転や位置調整が簡単なので便利なんですよね。見開き表示にしてバランスを見ながら描けるのも良いですね。

この技はさらに応用で、3D素材で背景や小物をつくり線画化したものを下描きにしてアナログでペン入れをする事もできますし、写真を取り込んで線画化したのも同様にペン入れできます。プロの漫画家さんもデジタルでアタリや下描きをつくり、プリントしてアナログで手を入れ、スキャンしてデジタルで仕上げる人はとても多いんですよ。

商業向けの原稿は、デジタルとアナログのいいとこどりして、とことんこだわりたいですね。

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