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羽ぼうきは必需品?漫画家が羽ぼうきを持つ理由

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イラストの中に登場する漫画家は羽ぼうきを持っている事が多いですよね。漫画家といえば羽ぼうき?でも羽ぼうきってそんなに使うものなの?そんな羽ぼうきの必要性についてです。

羽ぼうきはどんな時に使うもの?

漫画家のアイテムとしてよく見かける羽ぼうきですが、主に消しゴムのカスをはらうときに使います。「たったそれだけのためにワザワザ用意するの?」なんて思われるかもしれませんが、漫画の原稿の上にある消しゴムのカスをはらうのに羽ぼうきほど最高のアイテムは無いんです。

羽ぼうき以外で消しゴムのカスをはらうと起こる3つの問題

「消しゴムのカスをはらうだけなら他にも方法はあるじゃん!」そう思ってしまいがちですが、ちょっと待って。羽ぼうき以外で消しゴムのカスをはらうと、その時は気付かないのに後々大きな致命傷になってしまう事がたくさん起こるんです。

手ではらった時につく僅かな手汗が大惨事に繋がる

消しゴムのカスを手ではらうのは、僅かにつく手汗が大問題。普段手汗をかかない人でも、夢中で力を入れて描いていたり緊張状態でペン入れをしていると気が付けば意外と手汗をかいているものです。

そんな手で直に原稿用紙を触れば表面がほんのり湿ります。目で見ただけではわからない僅かな湿りでも、ペンが滲んだり、紙の表面が削れてペン先に詰まり大失敗!なんて事の原因になります。

それだけでなく、ペンを入れた線のインクが僅かに溶けて手につき、それに気付かず原稿を触って気付いたら原稿の至る所に汚れが…という大惨事にも繋がります。手汗、恐ろしいです。普段の癖で手でパパッとはらってしまいそうになったら注意しましょう。

卓上掃除機は原稿用紙を傷つける

最近文房具屋さんでよく見かける卓上掃除機ですが、これは原稿用紙の上を滑らせると原稿を傷つけてしまいます。

目に見えない僅かな傷でもペン先の引っ掛かりを生んでしまい、ペン入れを失敗してしまう大きな原因に。ペン入れ後だってインクの表面を削ってしまうのでせっかくの繊細な線が死んでしまいますし、原稿の汚れの原因にも。

「だったら原稿用紙の消しゴムのカスを下に落としてから使えばいい」と思う方もいるかもしれませんが、縦にして振り落としただけだと目に見えない細かな消しカスがたくさん残っているので、この僅かな消しかすは後々に大きな問題を生みます。次で詳しくお話しします。

はらい切れなかった極小のカスが大きな問題を生む

柔らかい布やティッシュで消しゴムのカスをはらうと、どうしても目で見え辛いくらいの極小のカスまでははらい切れません。布やティッシュでは原稿に密着する面積が意外と少ないだけでなく、布やティッシュにくっついた細かなカスが再付着しやすいからです。

そうやって残った極小のカスは、ペン先に絡んで線が突然ぶっとくなった!なんて大事故を生んでしまいます。さらにアナログ原稿の場合、その後のトーン貼りで今まで目立たなかったカスがトーンの空気を生みまくったりトーンの下で潰れて黒い汚れになったり、トーンを新しく貼り直さなければならない大事故が頻発します。デジタルの場合でもスキャンするとこういったカスは画面上に細かなゴミとなって鮮明に浮き出ます。

原稿の状態を保ちつつ消しゴムのカスを完全にはらうべし

原稿を綺麗に仕上げるだけでなく、漫画を描く中での思わぬ事故を防ぐためにも、原稿の状態を保ちつつ消しゴムのカスを完全にはらう事が重要なんです。

手以外の柔らかい素材で、原稿用紙に密着してしっかりと消しゴムのカスをはらい、再付着もしない。そしてそんな難しい条件をクリアしてくれるのが、そう、あのアイテムなんです。

羽ぼうきが漫画の原稿では完全に理想的

ここで羽ぼうきを見てみましょう。柔らかさは極上。ひとつひとつの羽がまるでほうきのように、原稿にしっかり密着して確実に消しカスをはらってくれます。消しゴムのカスが羽ぼうきにくっついて再付着する事もありません。素早くしっかりと全ての消しゴムのカスを取り払ってくれるんです。

漫画家といえば羽ぼうきを持つイメージですが、漫画の原稿用紙には羽ぼうきがこんなにピッタリだったんですね。原稿を綺麗に仕上げ、思わぬ事故を防ぐために。まだ羽ぼうきを使った事が無かったら、是非試してみてくださいね。

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