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近頃の新人漫画家の原稿料と連載事情

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出版不況で原稿料も年々下がってきたと言われている昨今、漫画家を目指しているとデビュー後の原稿料って心配ですよね。実際はいくらくらいもらえるものなのでしょうか?連載を持ったら新人でもアシスタントは雇えるの?いろいろとぶっちゃけちゃいます!

昔は新人でも平均1枚7000~10000円

10年ほど前は、新人の少年漫画家で原稿1枚10000円~13000円。少女漫画家で7000円~10000円が平均と言われていました。32ページの原稿を描けばアルバイトの収入以上は稼げたわけです。

さらに、単行本もどんなに少なくても最低1万部は刷ってもらえたので、単行本が発売されるたびに60万~100万以上の収入がありました。単行本を年に2冊出せば、原稿料がアシスタント代に消えるような贅沢な作画をしても、細々と食べていけたわけです。

とはいえもっと昔は連載1本持てたら新人でも家が建てられるほどのお金をもらえていましたから、10年前でも「昔と比べて少なくなった」と言われていたんですね。

今は平均5000円から。小さい企業は3000円の所も

ところが今は出版不況で、原稿料もどんどん絞られてきています。人気が出るにつれて原稿料は上がっていくのですが、一度原稿料の上がった漫画家の原稿料は下げられないので、かわりに新人漫画家の原稿料が厳しくなっています。

大手出版社でもマイナー誌になると5000円スタートの雑誌が増え、紙の単行本が出ても、昔は最低ラインとされていた1万部を余裕で下回り、初版3000部~5000部なんてザラです。1巻の売り上げが悪ければ続刊は電子のみなんて話もよく聞きます。

web雑誌しか出していない小さい企業になると、原稿料3000円なんてケースもあります。そういう所は紙の単行本を出してもらえる可能性もずっと低いので、趣味の延長のような感覚なら良いのですが、収入を安定させたいなら中~大手でデビューを目指すべきでしょう。

とてもじゃないけれど、超のつく人気雑誌で連載スタートしないかぎり、大手三大出版社でもアシスタントは雇えないのが最近の新人漫画家の連載事情です。

アシスタントは雇わないで友達や家族にお願い

では最近の新人漫画家はどのようにして連載をこなしているのでしょうか。私の周りでは同期の子や同人活動で仲良くなった子に手伝ってもらうという人が多いです。家族に手伝ってもらうという人もいます。そういう人は単純なベタやトーン貼りをお願いしている人が多いです。

漫画友達が周りにいないという場合でも、デビューすると出版社のパーティーに毎年呼ばれるようになり、連載をもてば交通費も出版社負担になるので遠方の人でも漫画友達をつくりやすくなります。もしデビューをしたら、自分の名刺は忘れずに作りましょう!

デジタル技術を駆使してひとりで描く

とは言うものの、漫画描きはコミュニケーションの苦手な人が非常に多いもの。友達をつくるなんて、ましてお手伝いをお願いするなんてとても無理!なんて思う人も多いでしょう。私もそのひとりです。

そんなときは、デジタル技術を駆使して時短しまくります。新人だけでなく、大御所のプロ漫画家でも単行本の発行部数が絞られて収入が減っているため、デジタルに移行する事でアシスタントを大幅に減らす人が増えています。

中にはデジタルで1人で描く事にした漫画家さんもいます。金銭的な理由だけでなく、アシスタントを雇うと人間関係のストレスが増えるので、ストレス無く描くために1人で描く事を選択する人が少しずつ増えているんです。

つまりデジタルを上手く使えば1人でも連載可能という事です。実際に私も1人で連載をこなしてきました。3D素材や画像素材を上手く料理して原稿に馴染ませる技や、自分流のショートカット術をたくさん見つける事が1人で連載をこなすコツです。

まとめ

これからますます新人の収入は少なるかもしれませんが、昔はアシスタント料で原稿料が無くなると言われていたのが、デジタル技術が進んでアシスタント料ゼロで連載ができる時代になってきています。

最初は低い原稿料も人気に比例して上がっていくので、大事なのは勝ち抜く力。執筆速度を上げたり時短技を身に着けておくと多きな強みになりますよ。

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